芸能
『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』父からの仕送りにも「反省しない」、夢を追う27歳芸人「ボクがなりたいもの~芸人になる。と上京した娘~」

2021/07/05 17:50
石徹白未亜(ライター)

 幸世の笑いに番組スタッフも思うところがあったのか、自分のネタを面白いと思うか? と尋ねていたが、これに幸世は「正直自分で言うのもアレですけど成長はしたと思います。今やっているネタは面白い」と回答していた。趣味でやっているならともかく、仕事としてやっていきたいのなら、現状に対し甘い自己評価ではないだろうか。

 『ザ・ノンフィクション』では幸世に限らず売れない芸人をテーマにした回がたまにあるが、笑いの取れない自分の芸に対して反省しない人が多い印象を受ける。もっと反省したほうがいいのではとも思うのだが、一方で彼らは「反省しなさ」ゆえに暗い雰囲気がないし、また、反省しないからこそ、いつまでも夢を追えるのかもしれない。

 反省して自分の現状に暗い気持ちを抱くのと、反省せず夢を追い続けるのはどちらが幸せなのだろう。そして反省力の低そうな幸世は、30歳で芸人を本当に辞められるのだろうか。

 次週の『ザ・ノンフィクション』は「ここでしか生きられない私~34歳 秋葉原メイド物語~」。秋葉原でも数少ない30代のメイド「もち」。新型コロナウイルスの影響は秋葉原も直撃し閉店する店も多い中、もちは店を守るため昼夜働き続けるも……。

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

いとしろ堂

最終更新:2021/07/05 17:50
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