暮らし
白央篤司の「食本書評」

『直売所、行ってきます』『めんどうなことしない うまさ極みレシピ』ほか、フードライター・白央篤司が選ぶ上半期のオススメ3冊

2021/06/12 14:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

『料理の意味とその手立て』タブレ 2300円(税別) 2020年12月20日発行

 こちらは料理することが大好きな人向け。自らの料理をブラッシュアップしたい、進歩させたいと願う人におすすめしたい一冊。

 料理研究家、ウー・ウェン氏は中国・北京生まれで1990年に来日。料理雑誌の編集者や料理家といったプロからも長年支持を集めている。彼女がたどりついた料理論を分かりやすくまとめたものが本著だ。「料理の仕組みを知る」と題して、まず塩と油を使う意味から説かれていく。「たぶん、みなさんが思っているより、少ない塩分で料理の味は決まります」「油は料理の味を左右するもの」で「うま味を出すための大事な素材」だから「油を買うときはケチらないで」等々、興味深い教えが続く。

 そして次に基本的な調理法の解説。「炒めるとは決して手軽な調理方法ではない」、だから忙しいときにしてはならない、炒めるとは「加熱したボウルで素材を和える」感覚――といった表現は、思わず蛍光ペンでアンダーラインを引きたくなった。また、ウーさんならではの中国と日本の比較調理論も随所に書かれ、それが実に面白い。

 料理は手慣れれば手慣れるほど、その手順や調理法の意味するところを忘れがちなもの。自分をアップデートするのための発見が必ずやあると思う。

白央篤司(はくおう・あつし)
フードライター。郷土料理やローカルフードを取材しつつ、 料理に苦手意識を持っている人やがんばりすぎる人に向けて、 より気軽に身近に楽しめるレシピや料理法を紹介。著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』『ジャパめし』など。

最終更新:2021/06/12 14:00
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