コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

石田純一は、なぜ芸能界から消えないのか? 新型コロナ感染騒動に見る「自分が悪いと絶対に思わない才能」

2021/05/06 21:00
仁科友里(ライター)

 取材を断らない男らしく、石田は入院中もレギュラーを務めていた文化放送のラジオ番組『斉藤一美のニュースワイドSAKIDORI!』(文化放送)で、「油断してかかるものじゃないかもしれないですけど、やっぱり気をつけて、それでもなおかつもう一回気を付けて、一緒に乗り切れたらいいなと」とコメントを発表した。私には石田の行動は「典型的な気を付けていない人」の行動に思えるが、本人的には気を付けていたということだろう。

 これ以降、石田の行動が取り沙汰されるようになる。2020年8月18・25日合併号の「週刊女性」(主婦と生活社)が「石田純一4泊5日福岡出張で『ゴルフ』『合コン』『お持ち帰り』を満喫! 連夜の濃密宴会」と報じた。「週刊女性」の直撃を受けた石田は「今CMやらせていただいている社長とゴルフをやっただけ。俺は今、東京のテレビは番組を降りて、単発はともかくレギュラーはないので、主な収入源はスポンサーじゃないですか。だから、みなさんになんと言われようとスポンサーに挨拶回りをするのは、自分の仕事だと思っています。この家や子どもたちを守るためにも」と、「連夜の濃密宴会」は、遊びではなく仕事であると主張した。

 石田の場合、小さいお子さんが3人いることもあって、まだまだお金はかかる。背に腹は代えられないのではないだろうか。発言通り、石田は“仕事”を続け、20年9月8日号の「女性自身」(光文社)は「石田純一、またマスクなしで飲み会へ!」、21年1月21日発売の「週刊新潮」(新潮社)では、都内の焼肉店で、大人数の会食を行っていたことが報じられた。

 最近はYouTubeを始める芸能人が多いが、石田もそれに続く。しかし、登録者数も再生回数も、有名芸能人としてはお粗末といわざるを得ない。4月29日配信の「石田純一の!ナンデモお悩み相談所」では、視聴者から「最近テレビで見かけませけど……」と言われた石田は「多分干されている」と語り、その原因を「政権批判と捉えられるような発言をしたから」としていた。日本の芸能界では政治的発言はご法度なのに、義侠心にかられ、「ちょっと、おせっかいで」政治的な発言をしてしまったために、「干された」と思っているようだ。

 テレビで見かけなくなるから、干されるという時代でもないだろうが、少なくとも「政治的発言をしたから」テレビに出られないというのは違うのではないだろうか。『サンデー・ジャポン』(TBS系)や『ワイドナショー』(フジテレビ系)でも、政治的な話題を取り扱うことはあるが、レギュラーを務める芸能人は普通にコメントしているからだ。

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