カルチャー
金子恵美『許すチカラ』座談会(後編)

金子恵美の「恵まれてる自慢」「シングルマザーへの言及」にイライラ! 『許すチカラ』を“許せなかった”既婚女性3人の主張【既婚・未婚座談会】

2020/11/30 10:30
サイゾーウーマン編集部

――では、「『許すチカラ』のここが許せなかった」ポイントはありましたか?

A とりあえず、「一般的な夫婦の物語ではない」という大前提を念頭に置いて読まなければいけない本だと思います。金子自身、折に触れて「自分たちは特殊である」というようなことを書いていますが、そのくせ、本の帯には「人はなぜ過ちを許せないのか?」ってあるんですよ。いち夫婦の話なのに「人は~」って、主語がデカすぎる! さらに、裏表紙側の帯には「妻として母として女として――許すことで私は幸せになれた!」だって……。「許せる女は幸せになれる」「幸せになりたければもっと夫に優しくしなさい」みたいな主張が見え隠れしていて、ハッキリ言ってうんざりですよ。

C 結局、特殊な夫婦の事例だから、不倫されて苦しんでいる大半の人はこの本を読んでも参考にならないし、許せる気持ちも持てない気がしますよね。参考にならないうえ、後半にかけて、どんどん金子にイライラさせられるじゃないですか? 「自分は環境に恵まれている」といったことも散々書いているし、結局この人って、常に心の余裕があるんだなあって。だから許せるんだろって、読み進めるほどそう感じましたね。

A ところどころに自慢が入っているのが、またしゃくに障るんですよね~。

B、C 超わかる!

B そもそも、経済的な不安がないから、離婚するかしないかを自分で選べたわけだし。生い立ちについても、「小さいころから優秀で快活な姉ふたりに比べて、学力も劣り」「私は精一杯努力しなければ勉強もできないタイプだ」とかあるけど、あなたも早稲田大学に受かって、政治家にまでなっただろう、という。もちろん、悩みやコンプレックスは人それぞれありますけど、こっちからすれば「あ、そ」の一言。

A 顎関節症のために通院してる時、口唇口蓋裂の女の子に出会って、「金子さんは贅沢だ」って言われる場面があるじゃないですか? 続けて「自分で自分の人生を選べる、それだけで幸福」だと気づいた、とつづっていますけど、この人、自分のことしか考えてないんだなと驚きましたよ。その後、母親が申し込んだ「きものの女王コンテスト」に選ばれただの「ミス日本コンテスト」に出場しただの、いちいちイラッとくるエピソード出してくるんですよね。その話、この本にいる?(笑)

B 自分が恵まれた環境にいすぎて、幸せなことに気づかなかった……とか言いたいんでしょうね。で、自分の成功経験をいろいろ語った末に、「多くの若い女性たちにも挑戦する心、冒険心を捨てないで、と言いたいのです」と叱咤激励しているんですが、金子のような立場の人に言われても、大して頑張る気になれないでしょ。

C 「私は女性の味方!」「若い女性には、さまざまな可能性がある!」とかなんとか言いたいのかもしれないけれど、励まし方の一番悪い例ですよ、コレ。

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