コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

天皇・皇后両陛下が選んだ「宮妃」は「生活費3億円」のお嬢様!? “ていねいな暮らし”ぶりに庶民は呆然?【日本のアウト皇室史】 

2020/11/14 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――これまたすごい話ですね。所得格差考慮ゼロですか。

堀江 まぁ、華族が学習院運営の経費すべてを負担させられている……つまり、実家が「すごい額」を寄付させられている手前、華族の子どもたちからさらなる教育代を徴収することはなかったというのが正しい見地なのでしょうけど、目からウロコのルールがいろいろとあるものですよね。

 さて、元祖・お嬢様学校である華族女学校の学生さんの話に戻りますが、将来の夢が「お嫁さん」の生徒ばかりなので、津田梅子のような元祖・キャリアウーマン志向の女性はガッカリしてしまったようです。

 ただ、勉学の意欲については「価値観」だけというより、環境が悪かったせいもあるのかな、と。もちろん、学級崩壊ではなく、快適に学べる環境ではなかったという話です。冷房がないのは明治だから当然として、冬場でも暖房ひとつなく、教室にいるだけでシモヤケができるし、凍傷にまでこじらせてしまう生徒さんもいたそうな。これは伊都子さまの自伝にあることですが、指定の革靴を履けないくらいに足指が膨れ上がると、届けを出して、草履通学を特別に許されるという……。

――東京のお嬢様学校なのに、シベリアの話みたいですね……。意外なことばかりで、びっくりの連続です。

堀江 環境はハードでも講師陣はソフトだったようです。学校生活といえば、先生に怒られた記憶も今となってはいい思い出になってたりしませんか? でも、華族女学校では怒鳴られることもなかったようですよ。

 もはや“記録魔”といってもよい伊都子さまによると、彼女が生まれて最初に怒鳴られたのは1909年(明治42年)、ロシア旅行で撮影禁止の区域の写真を撮ろうとしていて、ロシア人兵士から「コラー!」みたいなことをロシア語でいわれたのが最初だったとか。

 それも「我が生涯で怒鳴られるのは、これが最初で最後でしょう」という趣旨で書いておられるので、ホントに“ていねいな暮らし”の中で生きてこられたたんだなぁ、と(笑)

――ていねいな暮らし、ですか(笑)。確かに、庶民には想像もできない雲の上のご生活であることはヒシヒシと伝わります。

堀江 伊都子さまの場合は、それまで皇室の方々との交流がご実家の鍋島家とすでにあったのですが、「彼女なら宮妃としてもやっていける」と明治天皇・皇后両陛下の御目に止まっていたのでしょう。まぁ、こういうお嬢様しか、皇族妃にはなれなかったんだよ……という話なのかも。

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