カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」8月号

「ar」男子の恋愛座談会に衝撃! 30歳男性の「子ども欲しくない理由」が幼稚すぎる!?

2020/08/02 16:00
島本有紀子(ライター)

 次に見ていくのは読み物ページ「恋愛考察サミット」。中でも気になったのが「男子たちの恋愛事情」という座談会コーナー。同誌のこういった企画に登場する男性陣は、女性誌だからということで虚勢を張るのかアクの強いタイプが多いのですが、今回も例に漏れず、「燻製好きなサウナー。燻製による火傷多数」というMさん31歳、「お酒を飲むと鼻水が出る謎体質」なHさん30歳、「家飲みにハマるもなぜか3kg減」のSさん30歳など、プロフィール文でさえウケを狙ってきます。

 また彼らの年齢層が「ar」読者層より若干高いのも気になります。座談会でも、

Mさん「多分、向こうから点滅ランプ5回はあったんだよ」
Hさん「ドリカムね。ブレーキランプ光ってたんだ」(※DREAMS COME TRUEの1989年発売の楽曲「未来予想図II」の歌詞が元ネタ)

Hさん「俺は子ども欲しくない! だって、子どもができたら奥さんの中でも優先度が子ども>旦那になるじゃないですか。俺の中ではずっと奥さんがいちばん大切だから、奥さんも俺のことをいちばんに思っていてほしい」
Kさん「『ライオンハート』の歌詞みたい」(※SMAPの2000年発売の楽曲「らいおんハート」が元ネタ)

と“懐メロ”を持ち出しがち。

 それにしても、Hさん30歳の幼稚すぎる「子ども欲しくない」理論にも驚きます。「奥さんが泣いてる子どもをあやすなら、俺も泣くぞ?」という発言もあったのですが、ホラー味まで感じられ、ある意味新鮮でした。

「えちえち占い」の具体的予言

 最後に見ていくのは占い師・瀧澄コイコ先生による心理テストを用いた占い「えちえち占い」です。チャート方式で、「夢見がちなドM うさぎおんな」「攻め好きドS とらおんな」「アブノーマルOKのかくれヘンタイ ひつじおんな」など、性癖が8パターンに分類され、その8パターンの「夜の本性」「2020年下半期のH運」「おすすめ体位」「勝負ランジェリー」などが紹介されているという、完全にネタ扱いの占いです。

 予言もやけに具体的。「とらおんな」さんは、「ソフトSMに目覚めるも翌日、玄関のドアに苦情の張り紙が。痛気持ちいいアノ声で、まさかの通報騒ぎに!?」。

 「いぬおんな」さんは、「大事な夜にうっかり穴があいているショーツをはいてきちゃうかも。とっさに出た言い訳、『こういう仕様なのっ(ハート)』でさらに気まずいムードに…」。

 「うさぎおんな」さんは、「ひそかにハマった推しメンとウリ二つのイケメンに遭遇。自慢のキョトン顔で彼をノックアウトできちゃいそう(ハート)」などなど。

 占い師とは想像力も大切な職業なのだなと気づかされる読み物で、ぜひ同誌には定期的に「えちえち占い」を……と書きかけましたが、やっぱり、今回だけで十分おなかいっぱいです。

島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2020/08/02 16:00
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