コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

職人技光る“皇室愛用ブランド”が廃業――「デパート」「通販」の台頭で消えゆく伝統【日本のアウト皇室史】

2019/12/28 21:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

『可憐なるプリンセス 佳子さま』(主婦と生活社)

――前回、「御用達制度」は54年(昭和29年)に廃止されたと聞きましたね。「とらや」のように、皇室御用達のブランドを今も保持しつづけるお店がある一方で、商いを畳んでしまうお店もあるのでしょうか。

堀江 かつて、雑誌やテレビに御用達店の代表のように登場していた店も、けっこうな割合でひっそりと潰れてるんですね。今回調査して、驚きました。代替わりで、御用達認定された当時のご店主が引退、カリスマ性が薄れたら、それで経営が危なくなるお店も多いみたい。

 もちろん老舗の中の老舗として営業を続けているお店も多いのですが、例えば美智子さまがとりわけ愛用なさっていたという銀座の草履のお店「小松屋」は、2017年中にひっそりと閉店してしまっています。昭和の頃、ご店主・小松長作さんは、お客さんの足に少しだけ触れるだけで、その人にぴったり合った草履と鼻緒が作れるという特殊技能の持ち主だったそうです。美智子さまが皇室に嫁がれるという時、小松さんは美智子さまの実家・正田家から「娘に草履を作ってほしい」と頼まれたといいます。その際、美智子さまにも「足を触らせてください」というと、美智子さまのお母さまに叱られてしまったそうです(笑)。理由を説明し納得してもらった後、完成した草履は「一日中履いても、少しも疲れませんでした」と美智子さまからの感想が届くほど素晴らしい物になったそうな。その後、ずっと美智子さまは「小松屋」をご贔屓になさっていたようなのですが……。

――そんな名店も消えてしまったのですね。

堀江 昭和後期くらいから、皇族の方もデパートで買い物するケースが増えてきたのも無関係ではないかもしれません。かつてはそれこそ小松屋みたいな専門店でのみ、皇族のお買い物はされていたそうです。

 73年8月1日号の「女性セブン」(小学館)によると、デパートは「高島屋、三越、大丸、松屋」が主だといい、家具や装飾品はデパートで。その他の消耗品(食材など)は専門店で……というスタンスだったそうです。

 現代では、専門店よりもデパートなどの利用比率は増えているかもしれません。あるいは通販なども場合によってはありうるのではないでしょうか(笑)。2015年6月4日号の「セブン」が、佳子さまのタンクトップ姿を掲載し、話題になりましたが、一説に女子大生に人気の「ローリーズファーム」や「ローズバッド」といったブランドの服だといわれます。けれど、そういうブランドが御用達の看板を掲げるわけでもありませんしね。

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