カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」11月号

「ar」の読モは「ニセうぶ毛」を仕込む!?  20代に「赤ちゃんレベルの若返り」を求める衝撃

2019/11/02 16:00
島本有紀子

 連載マンガも掲載されている同誌。前作の『完パコLOVE』が終了し、9月号からは新マンガ『ショジョ恋。』が始まっています。『完パコLOVE』は雑誌編集者が主人公で、なんとなく同誌に連載されている意味があるように思いましたが、今回の『ショジョ恋。』は、処女のしょう子が主人公。しょう子は「美人で仕事もでき、誰からも憧れられる」存在だが、「処女コンプレックスを抱える26歳、大手飲料メーカー勤務」という、ほぼファンタジーな設定です。

 そして今回の第3話。しょう子は「恋活シェアハウス」プロジェクトに応募し、男女3人ずつのクセ者たちで共同生活をスタートすることに。設定は、まんま『テラスハウス』(NetFlix)。

 リアルだからウケている『テラハ』がマンガになって、どう転ぶのだろう……という心配はありつつ、ほぼファンタジー設定な主人公が、これからどう進化していくのか楽しみです。

魔法を解く松尾スズキ

 話題のイケメンが登場するインタビューページ「あの人にいざ、会いに行きます(ハート)」。今回は野村周平、須藤蓮、佐野勇斗という若手俳優に混じり、松尾スズキも登場していました。一気にしぶい誌面になっています。さらに、「読者に人生のアドバイスをください!」との問いかけに、松尾は「(arに)“恋の魔法にかかっとく”ってキャッチフレーズが書いてありますけど、恋の魔法がとけて現実と向き合う瞬間が結婚ですよ」と回答していました。

 「ar」は恋の魔法、メイクの魔法、季節感の魔法、言葉の魔法……など、あらゆる魔法で女子をぽわ~っといい気持ちにさせる雑誌ですが、そこから一気に現実へと引きずり降ろす、重みある大人の一言。松尾の鋭い目線と併せて、インパクトがあります。ぜひ夢にあふれた新連載『ショジョ恋。』を読んだ感想も聞いてみたい。

 赤ちゃんの可愛さを目指して「ニセうぶ毛」にまで手を出す夢見がちな「ar」読者が、このページを読み飛ばさないことを祈ります。
(島本有紀子)

最終更新:2019/11/02 16:00
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