コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき61

「ヤクザの腕を切り落とした男」の更生ストーリーに涙! 元極妻が考える半グレ問題

2019/09/29 16:00
待田芳子

 世間で怒羅権の存在が知られるようになったのは、いつ頃だったでしょうか? 結成された80年代後半から10年ほどの間に、メンバーは800人ともいわれるほど膨れ上がり、13年には警察庁から暴対法の「準暴力団」の指定を受けています。

 いじめから仲間を守る自警団的な意味合いはすぐになくなり、盗んだバイクで暴走し、シンナーを吸ったり、日本の暴走族とケンカしたり、さらにはピッキングなどの窃盗や、みかじめ料の強要などにも手を染めていきました。ヤクザも今は半グレと一緒に活動することが多いようですが、80年代のヤクザは、怒羅権のことは「若造」という感じで見ていたと思います。番組でも、それを思わせる汪さんのお話がありました。

「俺の財布を盗んだヤクザから、『お詫びに一杯飲もう』と言われて飲んだら、今度はその飲み代も払わせようとしたから、殴って日本刀で腕を切り落として、まだ怒りが収まらずに首を切り落とそうとして。やっぱり切れなかった……硬くて」

 怖くて切れないんじゃなくて、硬くてって……。この時の汪さんは19歳だったそうで、ヤクザは汪さんを若造として見下していたから、やられたのかなと思いました。今どきの若いコがこれを言ったら、ちょっとウソっぽいですが、「あの怒羅権」の元幹部が話すとリアルに聞こえますよね。「コイツは怒らせたら何をするかわからない」と思わせるのが、不良なんですよ。

受刑者に本をプレゼント

 そんな汪さんは13年の服役を経て出所し、今は受刑者の更生支援をするNPO法人「ほんにかえるプロジェクト」で受刑者に本を送っています。中国では優等生だったこともあって、獄中でなんと3000冊の本を読んだそうです。

 更生のきっかけは、判決公判での裁判官の説諭でした。

「君の人生や生い立ちには、共感できるところもある。罪を受け止めて償ってほしい」

 そう言われて、裁判官が自分に向き合ってくれていると実感し、怒りも消えたそうです。もともとは豊かな家庭に育っていたから、更生も早かったんでしょうね。逮捕と服役もあって日本国籍が取れないので生活はラクではないようですが、多くの方に支援され、素敵なお連れ合いとも出会えて、まずは順調のようです。現在の怒羅権のメンバーと会って、更生について話し合うこともあるのだとか。

 ネットなどでは冷たい視線もありますし、今後も試練はあるでしょうが、がんばっていただきたいですね。少なくとも私は、「今にコケよるで」的な見方はしていません。

最終更新:2019/09/30 12:13
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