ドラマレビュー

クドカンドラマにおける“ジャニーズ代表”の役割を果たした、『いだてん』生田斗真

斗真とかざぽんで俳優ジャンルも安泰

 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)は、1964年の東京オリンピック開催に向けて尽力した人々の姿を描いた群像劇だ。第1章となるこの3カ月(1~13話)は、明治後期を舞台に、金栗四三(中村勘九郎)と三島弥彦(生田斗真)がストックホルム五輪に日本人として初出場する姿が描かれた。

 後に「日本マラソンの父」と呼ばれる金栗四三は、オリンピック出場者を決める予選会でマラソンの世界記録を更新して優勝し、日本初のオリンピック選手に選ばれる。一方、三島弥彦は財閥の御曹司。数々のスポーツ選手権に参加しては華やかな記録を残し“痛快男子”と呼ばれていた。スポーツの勝敗にこだわらない三島は、オリンピックにも興味はなかったが、アジア初のIOC委員で選手団団長を務める嘉納治五郎(役所広司)の推薦で金栗と共にオリンピックに出場することになる。

 脚本は「クドカン」こと宮藤官九郎。2013年に大ヒットした連続テレビ小説『あまちゃん』(同)のチームが再結集した本作は、宮藤にとってキャリアの総決算となる作品だ。  そのため、阿部サダヲ、星野源、松尾スズキといった宮藤が所属する劇団・大人計画の面々はもちろんのこと、勝地涼、峯田和伸、神木隆之介、橋本愛、小泉今日子といった過去のクドカンドラマ出演者が総出演している。

 中でも、注目すべきは三島を演じる生田である。

 生田はジャニーズ事務所に所属する俳優だ。宮藤の脚本では連続ドラマ『うぬぼれ刑事』(TBS系)、三池崇史監督の映画『土竜の唄』シリーズ、劇団☆新感線の舞台『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』に出演。宮藤は気心の知れた盟友だと言える。

 そもそも、宮藤はTOKIO・長瀬智也主演の『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)やV6・岡田准一と嵐・櫻井翔が主演を務めた『木更津キャッツアイ』(同)といったジャニーズアイドルの主演ドラマを多数執筆している。華やかなジャニーズアイドルを、バカでエッチな年相応の男子として描くことで、宮藤は俳優としてのポテンシャルを引き出し、宮藤自身も脚本家としてのキャリアを重ねてきた。

 その意味で、『いだてん』における生田の役割は、本人の魅力もさることながら、クドカンドラマに参加してきた“ジャニーズアイドル代表”という側面が大きい。

 それを強く感じたのは、生田が初登場した第1話。生田演じる三島は、天狗倶楽部というスポーツ同好会を結成したメンバーの一人だが、その天狗倶楽部は「現代のパリピ」とでも言うような男集団で、すぐに上半身裸になってビールを飲んではバカ騒ぎする。この天狗倶楽部、実在した集団らしいが、彼らの姿を見た時、『木更津キャッツアイ』に出てくる、地元で草野球をしてはビールばかり飲んでいる、おバカな男の子たちを思い出した。

 三島は、ドヤ顔でやけにもったいぶった“タメの利いた”しゃべり方をするが、その姿は『木更津キャッツアイ』で岡田が演じた主人公・ぶっさんと重なる。カッコよくて繊細なのに、自己愛が強すぎてどこかユーモラス。だからこそ、男から見ても好感が持てる。そんな男の子を、宮藤はジャニーズアイドルに演じさせてきたが、三島もまた、カッコよくておもしろい男だ。

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