カルチャー
インタビュー

陸上男子100m、9秒台の夢を描く――舞台『マキシマムスピード』出演者が舞台ウラを語る!

2019/01/30 16:00

――それぞれのキャラクター作り、役作りで工夫した点はありますか?

仲野 僕の演じる桐原は、陸上選手としてスランプに陥るシーンがあります。自分自身も、役者としてスランプを何度も経験していて、この役をいただいた時、「絶対この役をやり遂げたい」って思いました。苦しい時やつらい時ほど、その人間がよく見えるって言うじゃないですか。だから自分の経験と向き合いながら、「この役を生きる」ことを心がけました。設定が自分の実年齢よりも年上なんですが、背伸びしないというか、無理しないで素直にキャラクターを表現できる領域を探しながら、役作りを行いましたね。

大川 全登場人物の中で、自分が演じる「多山修二」だけが、やや異色のキャラクターになんです。ほかのキャラクターたちとの違いをみせる工夫が求められたので、自分の役だけでなく、ほかの役者さんが演じるキャラクターも分析し、自分なりの演技プランを立てて稽古をしました。それから多山は、「残されたものは努力しかない」という強い考えの持ち主でして、それなら自分も、ストイックに「努力」の意味を考えなければとも思ったんです。全身から強いメッセージを放出できるような演技を目指そうという目標もありました。

 稽古休みの日には、実際に陸上競技場に行ってトラックを走ってみたり、ジムで筋トレもしたり……。ちなみに自分が筋トレをしていたら、みんなも筋トレをやりだして……筋トレの輪が役者たちの間で広まりました(笑)。

阿部 山坂は、陸上短距離界のエリート的な役柄。一つひとつのセリフに、彼の歩んできた足跡やそれにまつわるいろんな感情が凝縮されているので、それをどう表現するのかが、自分なりのテーマでした。アドリブや勢いまかせでやる芝居よりも、すべての所作に表現的意味を持たせて演じられるように稽古を重ねましたね。それは、どんなに小さなリアクションでも、です。陸上というものを、単なるスポーツとしてとらえるだけでなく「生きがい」とか「人生そのもの」であると感じられるようになりたいと思って、いろいろ考えながら役作りに挑んでみました。

佐川 為永は、登場人物の中で、一番挫折を経験している役柄です。そういう人間的経験を積んだ役を自分が演じるにあたって、誰かの真似事をするよりも、とにかく自分自身を追い込んで、平常心を保てない状態にすべきだと思い、そうしてみました。一言で言ってしまえば、「疑似体験」かもしれませが、稽古期間中に、まるで本当に挫折をしたかのように、つらくなったり、悔しくなったりした気持ちは、本物だと思います。こうやって養った感覚でする芝居は、嘘にはならないんじゃないかな(笑)。また為永は、挫折から「這い上がる」という役柄でもあるんです。先ほど言ったように、自分を追い込んだところから、いかにして平常心を取り戻し、希望を持てる精神状態にまで持っていくかを考え、実践していました。

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