カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」2月号

宮田聡子を起用して“匂わせ”の極意を伝授! 「ar」の狙いは山田涼介ファンを挑発!?

2019/01/24 17:23

 次の企画も、ずばり「じわじわドメス(ハート) 匂わせ肌…」。「今は幸せを“匂わせて”感じさせる時代!」と言い切り、人気ヘアメイクのイガリシノブ氏が「匂わせメイク」を伝授しています。

 やんちゃな彼がいそうに見える「イチャ×2モレ」メイク、アーティスティックな彼がいそうに見える「高め合いモレ」メイクという、匂わせどころかモレ(漏れ)ちゃっているメイクから、ついには「カレにも友達にも地球にも愛されてる」という「HUG充」メイクも。

 筆者は、「地球には愛されてみたいぞ」と思い、「HUG充」メイクの方法を読んでみたのですが、ポイントは「もしもカレにくっ付けてもまだ潤いの膜がたっぷりあるよ~的なじゅわじゅわ感」のある「油分たっぷりの唇」だそう。ジバンシイのルージュを「ぐじゅぐじゅとたっぷりつけて油分を感じさせ」、さらにディオールのリップマキシマイザーを重ねて「分厚い膜感&血色感をたっぷり仕込む」とのこと。

 地球は油分たっぷりのぐじゅぐじゅリップがお好きなのだと、イガリシノブ氏に教えられました。

匂わせマスターの仕上げは……

 最後に紹介するのはファッションページの「着られてる感がエロいい(ハート) 一番萌えるユニセックス服」。こちらも、ダボダボのトップスなどを着ることで、彼氏から借りてきました感をアピールする「匂わせ」を推奨しています。しかも、ウィメンズブランドからボーイッシュなアイテムをピックアップするのではなく、リアルなメンズ服を紹介する気合の入りよう。ここまで仕上げられたら、完全に匂わせマスターです。

 今月号を通して感じたのは、「実際に彼氏ができること」よりも「彼氏がいるように見せること」の方が大事という現代的な感覚。これは、「レストランでのメニュー選びは、実際においしいかどうかよりも、インスタ映えする方が大事」という空虚な風潮と同じのように見えますが、ちょっとだけ違うように思いました。「ar」が提唱するのは、「形から入ることで、彼氏がいるのと同じくらいハッピーになれるよ」という前向きなもの。匂わせて匂わせて、地球に愛されているのと同じくらいハッピーになりたい、と思わされた今月号でした。
(島本有紀子)

最終更新:2019/01/24 17:23
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