コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験の本番直前、母を襲う極度の“不安”――「自分は狂ってる」と吐露した悩みとは?

2019/01/13 17:00

 このように、たとえ貴也君のような“雲上人”の母であっても、親は受験直前、谷底に突き落とされたような心境になるのだ。いわんや、“一般人”の母には、不安しかないのが普通だ。

 昨年、2月1日から受験本番を迎えたものの、5日まで合格が得られなかったという樹君(仮名)の母・幸恵さん(仮名)から、ある相談が入った。いろいろと話を交わしているうちに、幸恵さんが「自分は狂っている」などと言い出した。いわく、目覚まし時計を大量に買ってしまったというのだ。

「年明けから、こんな夢ばかり見るんです。受験本番の朝に私が寝坊して、集合時間に遅刻。樹の一生を私が台無しにしてしまう夢です。もう、それからは不安で不安で、目覚まし時計を次々と購入し、今、10個かけているんですが、結局、使わないんですよね……。この1週間近く、ほとんど私は寝ていません。眠れないんです。でも、明日、最後のチャンスなのに、もし寝入ってしまって起きれなかったら。やっぱり、私が樹の一生を……」

筆者は、そんな切々たる思いを聞き、こう声をかけた。

「1週間くらい眠れなくても、人間、死なないから大丈夫! このまま起きてろ!」

 受験本番週は、子どもにとっても親にとっても、今までの人生で最も気合が入る1週間と言えるだろう。子どもが緊張のあまり「眠れない」と訴えることはむしろ普通で、それは親も同じこと。だから「寝入ってしまって寝坊」なんて事態は、そうそう起こらないものだ。睡眠不足を気にする人も多いが、横になっているだけでも体は休まるので、親子で横になり、子どもが眠ったタイミングで、母は朝まで起きていればいい。そういう母は受験本番の保護者控室で休息を取れば問題ないと、筆者は考える。

 なお、目覚まし時計を10個も部屋にセッティングするほど、うろたえていた幸恵さんをよそに、樹君は2月5日の3回目入試で、見事に第1志望校の合格を得ている。

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