加藤シゲアキ主演『犬神家の一族』にSMAPファン激怒! いまだ消えぬSMAPをめぐる「圧力」と「忖度」

2018/12/24 20:00

 12月24日21時30分よりスペシャルドラマ『犬神家の一族』(フジテレビ系)が放送される。言わずと知れた横溝正史原作の名作をドラマ化したものだ。『犬神家の一族』は市川崑監督・石坂浩二主演の1976年版映画をはじめ、これまで何度も映像化されてきた。今回、金田一耕助を演じるのは加藤シゲアキ(NEWS)なのだが、このキャスティングがSMAPファンの間で波紋を呼んでいる。

 というのも、近年において金田一耕助は稲垣吾郎の当たり役だったからだ。稲垣吾郎は2004年の『犬神家の一族』をはじめ、『八つ墓村』(2004年)、『女王蜂』(2006年)、『悪魔が来りて笛を吹く』(2007年)、『悪魔の手毬歌』(2009年)と、5回にわたって金田一耕助を演じてきた。しかも、これらのドラマはすべて今回の『犬神家の一族』と同じフジテレビで放送されてきたものだ。そこに来て、稲垣吾郎の後釜にジャニーズ事務所所属の加藤シゲアキが当てられてきたことにSMAPファンは憤りを隠せない。稲垣吾郎はSMAP解散以降、地上波のテレビドラマに出演できていないので、その怒りはなおさらだ。

 「週刊女性」(主婦と生活社)によれば、今回の『犬神家の一族』の演出を務めるのは、『ギフト』(木村拓哉主演/1997年)、『眠れる森』(木村拓哉主演/1998年)、『HERO』(木村拓哉主演/2001年)、『人にやさしく』(香取慎吾主演/2002年)、『西遊記』(香取慎吾主演/2006年)、『幸せになろうよ』(香取慎吾主演/2011年)などの演出を務めたフジテレビの社員演出家・澤田鎌作氏。「かまさく」の愛称でSMAPファンからも親しまれていた澤田氏が今回の『犬神家の一族』に関わることを「裏切り」と捉えるファンもおり、それがさらに怒りを助長しているのではないかとも報じられている。

USJとのコラボはSMAP解散後、関ジャニ∞に交替
 今回、『犬神家の一族』のキャスティングにSMAP解散のいざこざが関係しているのかどうかは藪の中だが、とはいえ、SMAPのメンバーが継続的に受けてきた仕事が、SMAP解散以降にジャニーズ事務所の後輩メンバーに振られる例は他にもあった。

 たとえば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの仕事だ。今年のUSJのクリスマス・アンバサダーを務めるのは関ジャニ∞だが、もともとジャニーズ事務所のなかでUSJとコラボしてきたのはSMAPだった。2014年には初代USJ大使に就任し、翌年にはアトラクション「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」のテレビCMに出演してきたという経緯がある。

「世界に一つだけの花」が強引に消された不自然な音楽番組
 ここ最近になって再び、SMAPをめぐって「ジャニーズ事務所からのマスコミへの圧力、あるいはメディアからの忖度」の存在を疑わせるような例が次々と顕在化している。

 そのひとつが、2018年11月19日に放送された『歌のゴールデンヒット -年間売上げ1位の50年-』(TBS系)だ。

 この番組は、1970年代から現在に至るまで50年間のヒット曲を、売り上げランキングをもとに紹介。名曲とともに昭和から平成を振り返るという趣向で、1年ごとにいちばん売れたヒット曲を取り上げていた。

 ここでおかしなことが起こる。2002年の浜崎あゆみ「Independent」から2004年の平井堅「瞳をとじて」に飛んで、2003年のヒット曲紹介はまるごとカットされてしまったのだ。

 2003年のヒット曲として紹介されるべきは、SMAPの「世界に一つだけの花」である。「世界に一つだけの花」といえば、SMAPが解散の危機に瀕していた際にファンの購買運動が起こり、リリースから10年以上経って再びチャートを駆け上がったことも記憶に新しい。

 この不可解な番組構成がどういう経緯で行われたのかは判然としないが、少なくとも「圧力」もしくは「忖度」のどちらかが働かない限り、こういった不自然な編集にならないことだけは確かだ。

ジャニーズ事務所がマスコミに「元SMAP」の呼び方を禁止
 SMAPをめぐって、いまだにジャニーズ事務所とメディアの間で微妙な空気が蔓延していることを示す例は他にもある。

 たとえば、今年10月に東京スポーツは、木村拓哉が主演した映画『検察側の罪人』(8月24日公開)プロモーションの際にジャニーズ事務所が「元SMAP」という名称の使用禁止令をメディアに通達していたと報じた。

 また、11月13日発売の「FLASH」(光文社)では、大晦日恒例の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の「笑ってはいけない」シリーズが昨年、新しい地図の3人に出演のオファーを出していたものの、ジャニーズ事務所の妨害で白紙になってしまったとも報じている。

 もうすぐでSMAP解散から丸2年が経とうとしている。新たな道を歩む元メンバーたちをジャニーズ事務所やメディアが邪魔をするような構図は一刻も早く瓦解してほしい。

(倉野尾 実)

最終更新:2018/12/24 20:00
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