コラム
知られざる女子刑務所ライフ54

ゴーン前会長は独居で「洗濯ばさみの組み立て」?——元女囚が考えるエリート外国人の収監

2018/12/16 16:00

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■ペ○スを整形しているか?

「ゴーン前会長は、ムショ行くんですか?」

 編集者さんから聞かれました。私は裁判官ちゃいますって(苦笑)。そもそもゴーン前会長がどんな人か、ようわかりませんしね。

 編集者さんによると、フランスの新聞は「日本のムショは、『同性愛者か?』とか『ペ○スを整形しているか?』と聞く」と紹介したそうです。海外の人はドン引きでしょうね。この場合、「整形」とはもちろん「真珠」です。

 でも日本の施設では、エリートさんでも誰にでも全員に聞くので、差別とはちゃいます。外交官だった作家の佐藤優さんも、パクられた(逮捕された)時に東京拘置所で「真珠の件」を聞かれて、意味がわからなかったと、ご本に書かれているそうですよ。真珠の意味がわからへん人もいるんですね。もちろん佐藤さんのようなエリートは「完全隔離」で、検査や食事、入浴なんかは全部お一人様ですから、ゴーン前会長もそうでしょうね。

 ただ佐藤さんは取り調べが長引いて、全員が入った後の汚いお風呂に入れさせられたそうですが、それはゴーン会長にはないのとちゃいますかね。こういうことでメンタルを責めていくのが拘置所や刑務所なんですが、さすがに国際問題になりそうですし、それはしない気がします。

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