ちゃんと「離婚」できてる? 協議離婚に付随する問題点

 10月27日の『田村淳の訊きたい放題』(MX系)に、南和行氏と木村草太氏の両弁護士が出演し、現状の離婚の問題点を指摘した。

 まず、男女ともに離婚理由の1位が「性格の不一致」であることに、南和行氏は「家庭裁判所の離婚調停っていうのは統一の様式があって、『離婚の理由を書いてください』ってチェック項目になってる。そこに挙がってる項目が、(「性的不調和」や「浪費する」、「酒を飲みすぎる」など)こういったことなのでなんとなく書きようがない時に『性格の不一致』にチェックを入れやすいっていうのがあるような気がする」と分析。

 ちなみに夫婦関係調整調停申立書はこのような様式になっている。

 続けて「経済的虐待や精神的虐待を自分では、『これってDVなんですか?』って言う人も結構いる」と言い、第三者から見れば「性格の不一致」以上に離婚を求める理由がある場合でも、本人に自覚がないため「性格の不一致」にチェックしている人は少なくないという。現行の形式では、正確な離婚理由はわかりにくいようだ。

 ただ、そのような形式になっていることにも理由はあるだろう。南和行氏は「なんで簡単なチェック項目にしているかというと、いろいろ(離婚理由の)事情を言い出すと、『それはそんなつもりじゃなかった』とか『誤解です』みたいなことの積み重ねで話が先に進まない。まずは、『奥さんから離婚したいって言われてるけど、どうですか?』から話を進めないと、『何があって』を言い出すと話が進まないからっていうことが理由としてあるのかな」と、離婚調停を円滑に進めるために、配慮された書式になっていると考察した。

決めるべきを決めないで離婚するカップルが多い
 日本の離婚の約9割が「協議離婚」だ。夫婦間で話し合いをし、離婚届に判を押して提出すれば離婚は成立する。しかし財産や子の養育に関する取り決めをせずに離婚成立に至ってしまい、後々問題となるケースは少なくない。

 木村草太氏は「離婚問題って男女で行うことなので、男女の格差が結構出る」と前置きをし、「やはり、女性が経済的に弱い立場に置かれていることが多い。その中で、(協議離婚になって)『対等にお話してください』って言うと、どうしても女性側に不利になることが多い」と協議離婚の問題点を指摘する。

 世界経済フォーラムの調査による男女格差の程度を表す「ジェンダーギャップ指数」の昨年版で、日本は世界144カ国中114位だった。男女格差が顕著な国であることは自明だ。性別によって置かれている環境が大きく変わってしまう日本で、当事者同士の話し合いだけで物事を決めることは難しさがあるように思える。

 木村氏は「公的に第三者が入って、例えば『養育費が充分か』とか『親権の問題をどうするか』とか、そういうことを管理した上で離婚させるほうが良いはず」と第三者を加入させることの必要性を語る。

 また、南和行氏も「協議離婚の問題点はすごく感じている」と共感を示し、「協議離婚というのは、戦後に民法が改まった時の発想として、『みんな自立した賢い大人だから、自分達の話し合いで、自分達のことをきっちり決めて離婚できるだろう』って期待があった」と協議離婚が設けられた背景を語るも、「いくら外でしっかりしてる人でも、離婚のことになると、なかなか冷静に話し合えない」という。自立した賢い大人でも、当事者同士で離婚という感情的になりやすい事項について話し合うことは難易度が高い。

養育費などを取り決めないまま離婚
 そして、「すぐにでも離婚したい」という思いが強かったり、夫婦間の力関係が存在したりなどが原因で、適切な話し合いがなされずに離婚してしまった結果、「後になって、『もしかして冷静にちゃんとやってたら、養育費とかも取り決めたんじゃないの』みたいな」と、養育費や慰謝料などお金に関する後悔をするケースがあるという南和行氏。

 そうならないためには、とにかくきっちり条件を話し合うことだ。「(養育費などを払う)義務を負う側は、話し合いの過程を通じて、『自分はこの後、こういうことをしないといけないんだな』っていう自覚が生まれるので、ちゃんとしますよね」と南氏は言う。

 だが、そもそも関係性が悪化しているから離婚という話になる。第三者の介入を拒むケースもあろう。冷静な話し合いが行えないほどこじれた関係になってしまったらどうすればいいのか。

 木村草太氏は「DVで追い詰められていて、とりあえず逃げなきゃいけないシチュエーションもあると思うので、そこは躊躇なく逃げられるようにしたほうが良いと思います。距離を取ることと、条件を決めることは、別次元で分けてできる仕組みが必要」と、環境整備の向上を主張。

 南和行氏も「『別居することと離婚が同時でないといけない』ってなんとなく思い込んでる人がいるんですけど、そんなことないです。とりあえず逃げて、DVのセンターを利用する場合もあれば、実家に帰ることもありますけど、とにかく生活を別にして、落ち着いたうえで間に誰か入れる、裁判所を入れるとかをして、法律的な離婚の話をしても良い」と、一度距離を取って、冷静さを取り戻してから話し合う方法もあると提案した。

女性に親権が渡りやすいのは日本の働き方が問題
 また、離婚すると7:1の割合で女性に子供の親権が渡る理由について、南和行氏は「日本の男女の働き方の格差が反映されていると思う」と推測。「男性のほうが夜遅くまで働いていて、もともと子供と接する時間が少ないですし、育児を担っている部分が少ない。子供を引き取る未来像が描けない」。そもそも男性は仕事の都合上、子供と関わることが少ないため、親権が渡りにくいということだ。

 さらに、「女性側のほうが、子供を連れて出ていく場合が多いですし、出ていきやすい。そうなると、離婚の話し合いや調停をしている最中でも、ずっとお母さんと2人だけで暮らしてるのが積み重なるので……」と、離婚を進めている最中も母親と子供が一緒にいるケースが多いため、そこから子供を引き剥がして「父親と一緒に暮らそう」とするのは難しいという。裁判に発展した場合でも、子供にとっての現状維持=母と暮らすことが推奨されてきた。

 木村草太氏も「『4時に子供が熱を出しました。保育園に迎えに来てください』って言われて、迎えにいけるお父さんがどれくらいいるか」と話す。男性が長く働くことを前提としている会社が多い、社会構造上の問題があるといえる。

 今回の放送で、離婚をめぐる様々な問題点が浮き彫りになった。経済的な理由から離婚したくても離婚できない女性や、妻と別れたいけど子供の親権を取られることを恐れて離婚を切り出せない男性は少なくないと考えられるが、前向きに離婚を協議できるよう、こうした議論の活発化は重要だろう。

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