コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

藤田ニコル、ギャルタレントからオトナに転身成功も……「真面目で親孝行」な一面に募る不安

2018/11/01 21:00
藤田ニコル、一発屋ではなかった

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「別次元すぎて……」藤田ニコル
『おしゃれイズム』(日本テレビ系、10月28日)

 芸能界には、“ギャルタレント枠”というものが存在する。年齢は10代後半で見た目は派手、常識がなくぶっ飛んでいる、もしくはおバカ発言を連発するタレントのことを指す。収録という限られた時間の中で、制作側が求める面白いことを言えるのは、相当頭が良くなくては無理だと思うが、それはさておき、ギャルタレントは、ギャルと呼ばれる年齢を脱した時に行き詰まるという宿命があるのではないか。

 しかし、そこからうまいこと抜けた感があるのが、モデル・藤田ニコルである。「Popteen」(角川春樹事務所)のギャルモデルから、おバカタレント枠としてテレビ進出し、人気を博すことに。現在は「ViVi」(講談社)の専属モデルとなり、アパレルブランド「Nicoron」のプロデューサーを務め、『サンデー・ジャポン』(TBS系)にコメンテーターとして出演するなど、“オトナ”への転身に成功している。

 大御所に気に入られることは、脱ギャルタレントの王道かもしれない。「若い女性を口説いたら、娘の友達だった」といった具合に、“浮気は男の甲斐性”を掲げる俳優・梅沢富美男が、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)でニコルを「礼儀正しい」「頭が良い」と絶賛していた。その時は、昭和のおじさんがニコル人気に乗っかろうとしているのかと思ったが、10月28日放送の『おしゃれイズム』(同)を見て、ニコル側が、おじさんというか昭和世代をわかっているなぁと感じた。

 ギャルタレントや若い女性芸能人は、大御所を「知らない」と言うなど、無礼な発言をすることを求められることがある。しかし、無礼な発言をしっぱなしでは、収録で笑いが起きても、その後、自分の首が締まる。となると、ギャルタレントは「失礼なことをしつつ、それをこっそり挽回する」必要があるのではないか。その時に指針となるのが、常識とか社会的階級の上下を読む感覚である。

 例えば、『おしゃれイズム』のパーソナリティー・森泉は、ニコルの事務所の先輩である。くりぃむしちゅ~・上田晋也に「森泉に対して、あこがれやリスペクトはあるか?」と聞かれたニコルは「ないですけど」と即答して周囲を笑わせた後、「別次元すぎて」とフォローするのだ。泉の祖母は世界的デザイナーの森英恵であり、泉はパリの社交界名簿に名前が載っているほどのセレブリティー。ニコルの「別次元すぎてあこがれない」という発言は、「私のような者が、あまりにも違うあなたにあこがれるなんて、恐れ多くてできない」と言っているに等しく、相手に対して謙譲の精神を発揮していることになる。梅沢が「礼儀正しい」と言うのは、このあたりのセンスを評価しているのではないだろうか。こういったバランス感覚があると、若者だけでなく年寄りも、双方に受けるコメントをすることができるだろう。

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