仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

藤原紀香、デザイナー・芦田淳氏への哀悼に見る「人間関係に一生懸命」への懸念

梨園の妻になっていよいよ活気付いている紀香

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「淳先生のお洋服に袖を通すと、いつも、貴婦人になれた気がしました」藤原紀香
(藤原紀香オフィシャルブログ、10月22日)

 子どもの頃、「一生懸命であることは正しい」と教わったことはないだろうか。

 もしかしたら、若い世代はこのような教えを受けていないかもしれないので、解説しておこう。昭和を中心にした世代の人たちは、「運動会の徒競走で1位が取れなくても、一生懸命走ったのであれば、1位を取ったのと同じくらい素晴らしい」というように、結果よりも一生懸命取り組む姿が正しいという教育を一度くらい施されている。

 しかし、人は成長すると共に「一生懸命が正しい」が建前であることに気づくだろう。受験生はどんな一生懸命解答用紙に向かっても、点数が足りなければ合格はできない。社会人になるともっとシビアになり、結果を出さなくては、仕事にあぶれる場合もある。つまり、大人になったら、大事なのは一生懸命より結果なのだ。

 そんな中、オトナになっても一生懸命を第一に掲げている人は、エリート層ではないだろうか。「一生懸命やれば結果は出る」という成功則を、これまでの人生で経験してきたと言えるからだ。

 「毎日、劇場に立たなくてもいい」と夫である歌舞伎俳優・片岡愛之助が言ったにもかかわらず、「勉強したい」と毎日一生懸命劇場に通い、また、梨園妻にふさわしい知識を身に着けるために、華道や陶芸など会員制のお教室に一生懸命通っていると「日刊スポーツ」に明かした女優・藤原紀香は、典型的な「一生懸命であることは、正しい派」だろう。

 その紀香が、日本を代表するデザイナー・芦田淳氏の訃報を受けて、オフィシャルブログで「多恵さん、ご家族の皆さまのお心を考えると、胸が張り裂けそうです」「どうか、どうか安らかに」といった具合に、熱い哀悼文を寄せている。紀香は淳氏の娘であるデザイナー・芦田多恵氏とも交流があり、多恵氏が東北地方太平洋沖地震の三陸地方のサポートの一環として行っている小物制作プロジェクト「ミナタンチャーム」についてブログで触れたり、多恵氏のファッションショーに足を運んだ話をするなど、親しい間柄であることが垣間見れる。今回も、梨園妻ならではの気遣いで、一生懸命にコメントを出したのかもしれないが、「滑ってない?」というのが私の感想だ。

 家族の誰かが病気になったり、病気ではないものの、いろいろ心配だから外出を避ける段階になると、親戚や親しい友人・知人に知らせることはよくあることだろう。それは家族の物理的・精神的負担を軽減する意味もあるが、一種の“カウントダウン”に入ったと伝える意味もある。ある日突然その人に会えなくなって、あれをしてあげればよかったと周囲に後悔させないために、親しい間柄の人には“あらかじめ”連絡をして、いろいろな意味で心の準備をしてもらうのだ。つまり、闘病中であることを知っているというのは、その人との親しさの証明と見ることもできるのだ。

 紀香のブログには、多恵氏について「互いに全然違うけど、どこか似ている。だから惹かれる」と書いてあったり、ありし日の淳氏と食事をしたエピソードが披露されており、ある程度親しい関係であることを窺わせる。しかし、淳氏の闘病もしくは外出を控えていたことを知っていた様子はないと、私には見えた。ということは、紀香は芦田家にとって親しい友人ではなく、大口顧客というポジションなのではないだろうか? 

 だとすると、あんまりにも熱くお悔やみを述べている紀香の片思いが、こっ恥ずかしく感じられるのだ。

 親しくない人にグイグイ行くのはよろしくないし、大事な人に不義理でも困る。人間関係は、「一生懸命」よりも「ほどよい」ことが大事なのではないだろうか。

 ちなみにもう1つ気になるのが、日本人離れしたスタイルの紀香は、海外ブランドが好きそうだと勝手に思ってしまうが、日本人デザイナーである芦田氏には思い入れがある点だ。ブログでは「淳先生のお洋服に袖を通すと、貴婦人になれた気がしました」と書いている。ここで頭をよぎるのが、日本一の貴婦人・美智子さまなのである。美智子さまは皇太子妃時代、芦田氏を選任デザイナーにしていた。また、美智子さまは日本の産業の発展のため、公式の場で外国人デザイナーの作った服を身に着けることがないと週刊誌で読んだことがある。

……紀香、美智子さまをまた意識しちゃった?

 2009年の全国赤十字大会の際、紀香は赤十字広報特使として、美智子さまをお迎えした。その時の紀香の服装は、白いスーツに白い小さな帽子をかぶるという、どう見ても美智子さまを模したものだったのだ。もしかして、自分のことをロイヤルファミリーと同等の存在だと思っているのかと震えたが、そのクセがぶり返して、美智子さまとつながりのある芦田氏にこだわっているのではないだろうか。

 だとしても、私はそんな一生懸命な紀香が嫌いじゃない。今後もますます頑張ってほしいものだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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