カルチャー
日本性科学会理事長・大川玲子先生インタビュー

セックス・セラピーは、なぜ必要? 日本性科学会が訴える「健康としての性」とは

2018/10/04 15:00

――なぜ日本の医療では、そんなに性が後回しになっているのでしょうか?

大川 「性」に関する事柄は健康の一部なのですが、人前で話すのはためらわれる、恥ずかしく、いやらしい話題とされてきました。それで研究テーマとして取り組むことが敬遠されてきたのだと思います。患者さんのほうも「忙しい医師に、こんなことを聞いてはいけない」と質問をためらいがちでしょう。医師も、患者さんにセックスのことを聞くのは失礼だと思ったりしがちです。しかし、本当のところ医師は、性機能について聞かれても専門家として答えられない、というのが現状だと思います。医学教育が、もっと真剣に向き合うべき問題ですね。

――日本では、「性」に関するまともな情報がないのですが、その現状はどうでしょうか?

大川 インターネットなどの膨大な性情報にさらされる人がいるかと思うと、半面、そういういやらしい情報には近づかず、友達とも性について話さない人がいます。刺激が強い情報の何が正しく、そうではないか見極めるには、学校で勉強する「性教育」が核になるのに、肝心な性教育がないに等しいです。日本の大学生が知らないようなことも、性教育先進国では小学生でも知っているのが現状です。

 迷信のような間違った知識で悩んだり、相手や自分を傷つけたり、健康被害から守るために、正しい科学的な性教育を進めていくという活動には、学校や民間の性教育団体など、多くの人が取り組んでいます。日本性科学会も今回出版した本などを通じて、「性反応」「性機能不全」などの知識を広げる活動をしています。でも、学校教育のようには広がりません。

 そもそも、皆さんは性反応がどんなものかを知っていますか? 知らないですよね。そういった基本的な体の仕組みを知らないし、教えていない。セックスは教わらなくても本能でできる、というものではないんです。しかし、日本だけとは言いませんが、政治家の多くは性教育を「寝た子を起こす」などと言って抑えることが多いのです。

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