日本性科学会理事長・大川玲子先生インタビュー

セックス・セラピーは、なぜ必要? 日本性科学会が訴える「健康としての性」とは

日本性科学会理事長・大川玲子先生

 近年、不妊治療やセックスレスなど、性に関する話題が公の場で広く語られることも多くなった。そんな中、臨床的な研究や診療を通じて性の健康の推進を図る専門家の団体「日本性科学会」編集による、性の喜びを得られない人をサポートするための医療従事者向けテキスト『セックス・セラピー入門 性機能不全のカウンセリングから治療まで』(金原出版)が発売された。そこで、セックス・セラピーの第一人者でもある日本性科学会理事長で産婦人科医の大川玲子先生に、セックス・セラピーとは何か、なぜ必要なのか、お話を伺った。

■セックス・セラピーは自分と向き合う治療

――「セックス・セラピー」とは、どのようなものでしょうか?

大川玲子先生(以下、大川) 「セックス・セラピー」は性機能不全に対する治療です。人間のセックスは、子どもをつくることだけが目的ではありません。セックスは人によってさまざまな意味を持ち、健康、あるいはQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の中でも重要です。セックスをすると人はどう反応するのか、性的興奮やオーガズムは生理的にはどんなことなのか、詳しく研究されています。それがうまくいかないのが性機能不全です。

――セックス・セラピーのカウンセリングでは、具体的にどのような相談に乗っているのでしょうか?

大川 実際に来られる患者さんは、「性交ができない」といった重大な問題の人が多いですが、いろいろな理由でのセックスレスの相談もあります。痛みに対する恐怖でセックスできない女性には、痛みへの恐怖、セックスへの誤解を少しずつ取り除いていく治療をします。結婚後何年も放置して、いよいよ子どもをつくるためにセラピーを受けようとしている人は、つい焦ってしまいます。いわば自分と向き合う治療ですから、焦らずコツコツ治療する必要があり、心身ともに不妊症の治療に近いものを併せて行ったりもします。そのほか、結婚や出産をきっかけに起こった性欲障害、パートナーの性機能不全など、いろいろな相談があります。

――医学の中でセックス・セラピーは、どのような扱いなのでしょうか?

大川 セックスそのものを対象とする性医学は、欧米でも医学の中で遅れてはいるものの、進歩してきました。性科学科のある大学も少なくありません。そして医学教育に、ちゃんとセックスが入っています。しかし日本では、男性のED(勃起不全)を除いて、医学教育で取り上げることはほとんどありません。男性のセックスに関してはバイアグラができたことによって医学の研究が進み、一般の医師にも相談しやすくなっています。それに比べて女性に関しては、まだメンタルな部分が大きいだけに、これからという状況です。しかし産婦人科医療の現場では、不妊症の患者さんのセックスや、婦人科の病気、手術後のセックスの問題は大切だという声は以前からあって、「産婦人科診療ガイドライン2017年版」で、ようやく「性機能不全の治療」が取り上げられました。

 セックス・セラピーでは心理的診断・治療、身体的診断・治療を含め、全人的な治療が行われます。まず患者さんのお話を詳しく聞いて、何が問題かを整理していきます。これまでの性に関わる体験、パートナーとの関係性や家族、友人、職場などの人間関係もヒントになります。人に話しにくい問題ですが、秘密は守られます。つまりセラピーの大部分は心理的なものですが、問題を解決するセラピーには特殊技法や、時には薬の処方、理学的治療を行うこともあります。

自分の体なのに意外と知らなかったりする

しぃちゃん

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ジャニーさん お誕生日おめでとうございます
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