「飲めるアロマオイル」のマルチ商法が危険すぎる! おしゃれイメージに隠された罠

 家族や親せきが〈トンデモ堕ち〉した体験を語っていただく〈身内がトンデモになりましてシリーズ〉、本日は番外編となる〈友人がトンデモなりまして〉をお届けしていきましょう。

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 今回は前回のアロエベラジュース同様、マルチ商法(別名ネットワークビジネス)とトンデモが悪魔合体したケースです。その騒動に巻き込まれたのは、造形作家のSさん。同じジャンルの創作仲間であるB子さんが、アメリカの〈ドテラ(dōTERRA)〉というアロマを始めたことでトラブルが広がっていったそうです。

Sさん(以下、S)「ある集まりで、B子さんと知り合いになりました。マニアックなジャンルなもので、同士と出会えたときは嬉しかったですね。彼女は造形教室も開催していて、そこへ通うようになったんです。技術を習うというより、ほかの人はどのように作っているんだろうという興味からです。B子さんの技術は素晴らしいものでしたし、はじめの頃は信頼して充実した楽しい時間を過ごしていました。ところがそれが崩れていったきっかけは、お茶でもしませんかと呼び出され喫茶店に入ったときのことです」

 待ち合わせに遅れてきたB子さん。席に着くなりカバンから小瓶を取り出し「これデトックスにいいのよ。お水に垂らして飲むといいの」と、Sさんのドリンクに何かの液体を一滴投下。それを疑うことなく飲んだSさんのお腹に、悲劇が起こります。

S「お、オナラが出そう! んんん? これはやばい! 具も一緒に出る感じだぞ! カフェのトイレへ駆け込みました。B子さんが飲み物に入れた液体の正体は、リラクゼーションアイテムとして定番のアロマエッセンス(精油)だったんです」

 そして10分以上、便座から立ち上がることができなくなったSさん。今となっては因果関係を証明しようがありませんが、どう考えてもB子さんに入れられた、アロマ(精油)が原因でしょう。

危険な使用法で周囲に勧めまくる
S「猛烈に水のような下痢が出て、少し落ち着いたかなと思うとまた腹痛と共に激しい水下痢。人生の中で一、二を争うくらいのひどい下痢でした。でも良かれと思って勧めてきた仲間に『あれのせいで下痢になったわー! ウルトラスーパーデトックスだわコノヤロー!』とはなかなか言いにくい……。逆に、長時間トイレから戻ってこないと心配してるんじゃないだろうかなんて思っていました」

なんとか腹痛が収まり席に戻ると、B子さんはSさんが長時間トイレにこもっていたことは気に掛けることもなかったそう。そんな様子に、「たまたま体調が悪かったのかも?」で、済ますことにしたSさん。

 するとそれからは、水やお茶を飲む機会があるごとに、B子さんはすかさず精油を取り出してくるようになったそう。「ほかの人も自分のようになったらヤバい!」と思ったSさん。場の空気を壊さないよう笑い話のノリで「前回、実は下痢になっちゃって~」と伝えてみるものの、「これはレモンの精油だから大丈夫」。

S「紅茶に垂らすことで、レモンティになると言っていました(笑)。一応『入れてみませんか?』と意思を確認したうえで入れていましたが、教室で他の生徒さんたちが『へ~、そうなんだ?』と飲む気でいる空気のなか、『私は嫌だ』とはなかなか言えません。後に聞いた話では、『精油なんて入れるの嫌だ』と思いつつ飲んでいた方もいたようですが。それに今思えば、デトックスになるとしても出先で飲ませるとかダメだろー!

そもそもレモンだろうがなんだろうが、精油ならその人の体調やアレルギー、妊娠の有無など、問診しなくていいんでしょうか。飲用のほかにも、レッスンの合間に『この精油は原液塗布できるし、レモンなんてお掃除にも使えて万能』『自分は製造会社の会員で安く買えるから欲しいものがあったら注文しますよ』なんて、熱心に商品紹介していましたね」

あれはマルチ商法だった!
 このときはまだ気づいていませんでしたが、実はこれはネットワークビジネスで販売される精油。それらは勧誘時に「高品質だから飲むことができる。現役塗布もOK!」とレクチャーされることが多いようですが、一般的なアロマの世界ではどちらの行為も原則厳禁です。一応巷では「食用の精油」なんて商品も見かけますが、アロマを調味料のように使う「アロマクッキング」なるものには、それなりに衝撃を受けました。

S「『ここの精油は肌にすりこんでもいいのよ』なんてことも言っていて、その場にいた生徒さん数人と一緒に、精油を香水のように手首に塗り込んだこともあります。後にその教室をやめることになった生徒さんは『お金を払って習いにきているのに、精油の紹介で10分も15分も取られて本当に嫌』と思いながらイライラしていたそうです。この時点で私はマルチ商法であることにまだ気づいていませんでしたが、怪しいと思っていた生徒さんもいたとか」

 Sさんが「あれはマルチ商法であり、精油は飲み物じゃない」と気づいたのは、2017年8月にテレビ番組『スッキリ』(日本テレビ系)で特集された「キラキラ起業女子の実態とは?」がきっかけ。番組に登場したアロマテラピストを目指す女性が使っていたのが、B子さんが熱心に勧める「ドテラ社のアロマ」だったのです。そこから一気にいろいろな情報へたどり着きます。

S「ドテラの認定講師になるには100人に施術しなくてはならないこと。ドテラ社はネットワークビジネスであること。食品ではない雑貨として売られているものなのに、簡単に人に飲ませたり希釈もせず肌に擦り込ませることを勧めている、などを知ったのでした。ネットワークビジネスといえば聞こえはいいですが マルチだよねこれ……と、もうガックシ。B子さんはきっと、ドテラ講師に心酔し、家族の健康を祈って始めたのだと思います。人を騙すつもりではなかったのでしょうが、おかしな世界にからめとられてしまったことが残念でなりません」

 それからのB子さんは、マルチ系アロマだけでなく、個性心理学セミナーを開催したりハンドメイド作家育成を謳いはじめたり、時にはユーチューバーになってみたりと、きな臭い方向へ爆走していきます。

S「そうなると、B子さんのFacebookにはキラキラ風味の怪しい人たちがどんどん増えていくんですよね。お金のブロックを外すセミナーへも行ったそうです。そしてB子さんを経由して、私のところにもやってくるキラキラな人たちからの友達申請。私までキラキラ起業家女子の一味で、マルチ系アロマ愛用者と思われたらそれこそ仕事に支障が出てしまうので、心底迷惑です。

 共通の知り合いである、メジャーな協会のイントラ資格を持つアロマテラピストの話では、B子さんも同協会の一級を持っているとか。一級はあくまで自分や家族に使える程度で、他人に施述していいレベルではないとはいえ、それでも精油のことをある程度学んでいるはずなのに、なぜドテラへ傾くのか理解ができないと言っていました」

いつか重大な事故が起きそう
S「セラピストさん曰く、中には飲める精油もある。だけどそれはインストラクターレベルまでしっかり学んだ人がさらに深く学んだうえで、自己責任である一定の期間だけ飲むとてもレアなケースであり、毎日飲みつづけることは絶対にないそうです。そのセラピストさんは飲むことはしない主義ですし、やはり『精油は飲まない』が基本であると。薄めずに原液を塗布することも肌への刺激が強すぎますし、ましてや飲めば粘膜を傷つけたり肝臓や腎臓に負荷をかけるので非常に危険だと。だから、安易に人に精油を飲ますマルチ系アロマのやり方は、いつか重大な事故が起こるのでは? と懸念していたそうです。

 アロマの正しい利用法を知るにつれ、恐ろしさを再認識してしまいます。ドテラを宣伝している人たちの中には、B子さんのように素人レベルの知識で、飲める塗れると無責任に言っている人たちが多いようなのです」

 目を覚ましてほしい一心で、真正面から危険性を指摘するものの、それを「偏見」と反論するB子さん。Sさんが下痢になったことに対しては「それだけ毒が溜まっていると捉える人もいる」と訴え、ドテラのアロマで身内の病状が改善したと主張。最終的には、Sさんが「嘘を交えて大げさに触れ回り、ドテラの精油をバカにする口汚いひどいやつ」扱いに……。

なぜ周囲は断りにくいのか
S「彼女は『ドテラを愛用しているひとは純粋にドテラを愛しているんです』と言いました。このセリフを聞いて私はようやく、この人もうダメだ。と思いました。精油の使い方が薬機法違反だし健康被害が出たら……という話には、『では現代医療はどうなんですか? 医療ミスだってあるじゃないですか! ドテラの健康被害については弾糾するくせに、医療ミスには何も言わないんですか!?』とトンチンカンなことも叫びはじめましたね」

 今やすっかり疎遠になったものの、1カ月前にB子さんを街で偶然見かける機会があったそう。傍から見れば、穏やかでセンスもいい十分に素敵な女性。それがさらに「ドテラなんかやってなければもっと素敵なのに」なる、残念な気持ちが高まると語ります。

S「今回のことで、このアロマのマルチ商法が主婦の間に広がってきていることを知りました。ということは、困っている人もそれだけいるでしょう。主婦ということは信者たちと子どもの学校が同じだったり近所だったりするので、拒絶したくてもなかなか難しい。やんわり断ったり、距離を置くにも波風たてないよう気を配ります。非常に周りに気を遣わせてしまっているのに、彼女らはそんなこと考えてもいないでしょう。クレームが出にくいのは認められているのではなく、『これからの生活のことを考えて言えない』のです」

 そのうえ「天然成分で豊かで健康な暮らしを」という体(てい)の切り口が、さらに悪質だと指摘。そういえば、このアロマを取り入れた保育所なんてものも見かけた記憶が!

S「同じマルチでも悪名高きA社の方が分かりやすく『金儲けでウェ~イ!』って感じでマシだと思います。つわりで苦しむ妊婦さんや子どもや赤ちゃんにまで使えるといい放つマルチ系アロマは、本当に厄介。自然派志向であれば、ふらふら行ってしまいそうですし。B子さんは『私は自分の目で見たものを信じます』『常識こそ疑え』と言いますが、自分の判断こそ、疑ってほしいです」

 今やすっかりポピュラーな癒しグッズとなり、手軽に手に入れられる精油。華やかな香りからオシャレ演出もバッチリ、「植物の自然な力で」という優しく安全そうなフレーズも心をくすぐります。その裏でこんな過激な使い方で広める世界があったとは。

 確かにこの使い方のほうが、ジャブジャブ消費するわな~というおかしな感心とともに、明らかに女子どもをターゲットにしているかのようなトンデモ商売に表面的なイメージとは真逆の闇を見た思いです。ここは迷うことなく、Sさんと一緒に大声で言いたいですね。「精油は飲み物じゃありません!」。

Information
引き続き、みなさまの体験談も募集中です。ご自身の体験を語ってくださる方は、山田ノジルメール「nojiruyamada@gmail.com」へ、ぜひ情報をお寄せください。

▼vol.1:
前篇)異臭がする子供、ワクチン拒否…義妹が「自然派ママ」になりまして
後篇)過激な自然派育児は誰のため? 自己肯定のレベル上げに執心、医療全否定で子供の健康を守れるか
▼vol.2:
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▼vol.7:
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▼番外編
友がトンデモになりまして」vol.1:自称セラピストに転身した親友から「毒親を愛せ、許せ」と詰め寄られた女性の苦悩

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