コラム
【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

「義母がくれたのは、3万1000円のガスレンジだけ」訛りの強い東北で、四面楚歌の結婚生活

2018/03/12 15:00

――どこに住み始めたんですか?

 彼の実家から車で30分ほど離れた、隣町のアパート。まずは看護の仕事を探そうとしました。だけど、こちらの訛りが予想以上に強いので、ひとまず断念。そんなとき、妊娠がわかりました。それで就職はいったん諦めて、無理くり籍を入れたんです。彼の両親から私の両親への挨拶もなし。長男の結婚なのに、結婚式はしてくれないし、新婚旅行も行かずじまい。なんにもない。義母がくれたのは、3万1000円のガスレンジだけ。

――親戚付き合いは、しなくてよかったんですか?

 いえ。話はまったく違ってました。親戚付き合いの連続です。籍を入れてから1カ月後には、夫の妹の結婚式がありました。300人ほどが出席する盛大な式。私は留袖を着せられて、親戚の1人として手伝いをさせられました。だけど、その場で誰も私のことを知りません。だから会う人会う人、「○男(夫)の妻です」と挨拶して回りました。ご祝儀は10万円。夫が勝手に包んでいました。私ら、義妹から何ももらってないのにね。

――義理の妹さんとの待遇差はひどいですね。

 しかも義妹は、たった4カ月で離婚して、実家に帰ってきたんです。あれだけ盛大な結婚式をやったのに。その後、義妹は実家の近くで1人暮らしを始めました。だけど実家には入り浸ってましたね。ご飯は自分で作らずに、親に作らせて持ってきてもらってたようです。両親や夫、そのほかの親戚たちに「働かなくていいよ」って言われて、みんなに守られた、甘えた生活を送ってるわけ。私は大いに不満でしたが、気がついたら彼女も妊娠してた。しかも私よりも先に、結婚した年のうちに産んじゃってました。

――一方で、山本さんのお子さんはどうなったんですか?

 年明けには臨月。だけど、生まれる前が大変だった。何が大変かって? 冬の雪かきですよ。普通は父親がやるんだけど、夫は一切やらないんです。

――では、雪かきは誰が?

 私がやるしかなかった。前年の春に妊娠がわかったとき、慣れない雪かきを、まさか臨月ですることになるとは思ってもみなかった。

――流産したら大変ですよ。

 いえ。夫はそんなこと、まったく気にしない人なんです。2月にいよいよ出産ってときだって、立ち会うはずがない。産んだのは病院です。会陰切開で生みました。夫や夫の親戚のお見舞いは、結局なかった。

アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 塩対応な私の旦那様はハイスペックな幼馴染!?~トロトロに甘やかされて開発される体~
  2. 交際ゼロ日で嫁いだ先は年収5千万円のスパダリ農家~20歳、処女を弄ぶ優しい指先~
  3. お花屋さんは元ヤクザ~閉店後の店内で甘く蕩ける~
  4. 体育会系幼馴染は世界一の溺愛男子~全人類の好感度がある日見えたリケジョの私~
  5. 淫魔上司は不器用な溺愛男子~インキュバスが魅せる激甘淫夢は人外の快感~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト