カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「non・no」9月号

「non・no」モデルの私服に見る、新しい“量産型女子大生”と葛藤

2017/08/13 21:00

 続いて、ストーリー仕立ての着回し企画「新木優子&西野七瀬の夏イベ楽しすぎ着回し14days」を見ていきましょう。「大人見えカジュアル優子」は、「沖縄の友人宅(庭付き)」で夏休みを過ごします。ざっとストーリーを追ってみましょう。

 「おしゃれなカフェで見かけた窓際の男の子(本を読むメガネ男子)からなんだか目が離せなくて」「頭の中は彼のことばかり」になってしまう優子。そんなある日、彼が「うちの畑で採れたゴーヤを持ってきました」と友人宅にやって来ます。「なんと友達の幼なじみ」だったみたい! 「メガネ男子」と「ゴーヤ」がうまくつながりませんが、「とんとん拍子で話が進んで」、「ドライブ」「浜辺を散歩」「キャンプ」を「みんなで」楽しみます。途中、2人きりで「なんだかいい感じ」になったりしつつ、最終日。「連絡先さえ聞け」なかったことを後悔していたら、「彼からまさかの電話!」。彼が東京に観光に遊び来ることになり「また会える(ハート)」と、優子はときめく――(完)。もしこれが友人からの“一夏の恋”の報告だったら、「で?」としか感想が出てきません。今どき小学生でも、もっと積極的にアピールするのでは? と思うほど主人公は受け身です。

 一方「華やかフェミニン七瀬」のストーリーを見てみましょう。「友達と水遊び」「友達とサイクリング」「ママと買い物」「地元仲間とBBQ」と、どうやら彼氏はいない様子。そんなある日「地元(大阪)でのロックフェス」に参戦したところ、「大好きなロックバンドのボーカルの彼と目が合った気がするー!」とのこと。そこから七瀬の「報われるはずのない恋」が始まります。「ファンレターを書こうかな」と悩んだせいで寝不足。なぜか「お菓子作りでストレス発散」。ところが事態は急展開! 旅行で東京に遊びに行くと「風に飛ばされた帽子を拾ってくれたのは、あのロックバンドのボーカル!? 夢みたい!」と浮かれるものの、ありがちなシンデレラストーリーが始まるわけではなく、「あの彼の結婚記者会見」で幕を閉じます。またしても「で?」な展開です。

 もしかすると乃木坂46の西野は恋愛禁止のため、リアルな恋愛ストーリーはNGだったのかなとも邪推したのですが、その後にある企画「優華が着回すプチプラ20days」においても同様で、恋に恋する片想いストーリーが展開されていました。いくら「non・no」が保守的な女子大生をターゲットにしているからといって、夢見がちどころか恋愛の入口にも立っていないなんてことがありえるのでしょうか……?

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