[女性誌速攻レビュー]「non・no」9月号

「non・no」モデルの私服に見る、新しい“量産型女子大生”と葛藤

2017/08/13 21:00
nonno201709
「non・no」2017年9月号(集英社)

 創刊45年を超える老舗女性ファッション誌「non・no」(集英社)。かつては「an・an」(マガジンハウス)のライバル誌という位置付けで、「アンノン族」という言葉まで生まれましたが、現在は“保守的な女子大生雑誌”というイメージ。「1女」「2女」「ハタチ」「ゼミ」「夏合宿」など、“大学生ワード”が散りばめられた表紙から、早くも拒絶されている感を否めない三十路の筆者ですが、意を決して「non・no」ワールドを潜入調査していきます!

<トピックス>
◎ノンノモデルの最強(ハート)夏私服50連発!
◎新木優子&西野七瀬の夏イベ楽しすぎ着回し14days
◎ハタチの恋のリアル

■真夏に「ドクターマーチン」って!?

 まずは巻頭特集「ノンノモデルの最強(ハート)夏私服50連発!」を見ていきましょう。ノンノモデルといえば、女優やタレントへの登竜門。かつては、りょうや松雪泰子、近年では菜々緒や佐々木希を輩出しました。また日本テレビアナウンサーの岩本乃蒼も、実は元ノンノモデルで、2010年のオーディションでグランプリを受賞しています。現在は約20名の専属モデルが活動しており、主に表紙を飾るのは本田翼、新川優愛、新木優子、鈴木友菜、西野七瀬(乃木坂46)の5名です。それぞれにドラマや映画、バラエティ番組のMCにアイドル活動など多方面で活躍中の彼女たちは、17年現在の女子大生たちが「マネしたくなる」ファッションアイコンなのでしょう。

 さっそく私服コーデをチェックしていくと、流行とはいえ、ワイドパンツ率100パーセント! 合わせるトップスも、オフショルダーかふんわり袖のカットソーか白Tシャツで、もちろんパンツにイン! バッグはミニショルダー、小物は大きめのアクセサリーやベースボールキャップ、そしてビビッドカラーを差し色として取り入れるところまで同じです。さらに、このクソ暑い中、なぜかドクターマーチンやエンジニアブーツを履いている人が続出しています。

 3~4年ほど前、「量産型女子大生」という言葉が、流行の女子大生ファッションを揶揄する言葉として使われました。パステルカラーに、リボンやフリル使いなど、甘くて可愛い(ちょっと野暮ったいコンサバファッションとも言う)雰囲気だった、当時流行の女子大生ファッションは、集団になった時のインパクトが大きく、皆が同じ格好をしているように見えました。しかし現在の女子大生は、皆が同じ格好をしていても、パッと見では、そのように見えません。というのも、今回の私服コーデにおいても、実は「古着」を活用している子が多く、Tシャツの柄や裾のデザインなど「レトロな雰囲気」のアイテムと流行アイテムをミックスさせているんです。またミニショルダーも「他の人とカブらないデザインが魅力」と丸型を選んだり、人気のドクターマーチンに至っては「シューレースがない10ホールブーツ」「ネイビー」「パテント素材」とそれぞれ個性をアピールしていました。

 もしかすると、女子大生たちの“周りから浮きたくない”という学校生活を送る上での保守的な気持ちと、“だけど「量産型女子大生=ダサい」とは言わせない!”という気持ちが結集し、ここ数年で女子大生のオシャレレベルがグッとアップしたのかもしれません。

non・no(ノンノ) 2017年 09 月号 [雑誌]
ドクターマーチンの蒸れに臆してちゃあダメよね
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