コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

“仕事が結婚か”に悩む平野ノラ、江原啓之の「倍、頑張る」というアドバイスに抱いた違和感

2017/08/03 21:00
平野ノラオフィシャルブログより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「家事とかあまり得意じゃない」平野ノラ
『火曜サプライズ』(日本テレビ系、8月1日)

 8月1日放送の『火曜サプライズ』(日本テレビ系)に平野ノラが出演し、日本のスピリチュアル界の首領・江原啓之に人生相談をしていた。平野は今年の2月『ダウンダウンなう』(フジテレビ系)で、交際中の一般人男性からの公開プロポーズを受け入れたものの、具体的な時期については明言を避けるなど、どことなく結婚に腰が引けている感も否めない。平野はその理由を「仕事と家庭の両立ができない」「家事とかあまり得意じゃない」と説明した。「仕事を失っても、彼と一緒になりたいか?」と江原に問われると、平野は「仕事を取る」と明言。これらの発言から、どう考えても「結婚したくない」というのが本音に思えるが、「結婚を待ってもらっている」「トシもトシだし」と語るなど、決めかねているようだ。

 多くの女性ファンの心をとらえた結果、熱海に1,000坪以上の大豪邸を築いた江原だけに、平野や平野と同じ悩みを抱える視聴者の女性に霊験あらたかなアドバイスをしてくれると期待を持って見ていた。しかし、江原の「倍、頑張る」というアドバイスは期待はずれを通り越して、あんぐりと口を開けてしまった。いやいや、あなた、話聞いてました? と思ったのは、私だけではないはずだ。

 平野は数年前にバブルネタでブレークしたものの、売れたからこそ、これからが正念場とも言える。仕事に全力投球している今、結婚して家庭を持ったら、仕事にマイナスになるのではと悩んでいる女性に向かって、ドヤ顔で「倍、頑張れ」とは、一体どういう了見をしているのだろう。

 「倍、頑張れ」は、アドバイスとして実践的とは言えない(そもそも、江原は何を頑張るのかについて明言していない)。しかし、日本人の心情に訴えるという意味では、このアドバイスは最高だ。というのは、「オンナの苦労は美徳」「幸福はオンナの努力次第」という考え方は、オジサン世代だけではなく、女性の間にも深く浸透し、量産され続けているからだ。

 例えば、先日「女性自身」(光文社)が「錦織圭同伴の観月あこ 会計はブラックカードの超セレブ生活」と報じた。ファッションモデルをしていた観月あこだが、錦織との熱愛発覚後はほとんど仕事をしていない。そんな観月が、ジュネーブで高級バッグを買い、友人には寿司をおごり(支払いはブラックカード)、移動はファーストクラス、宿泊も高級ホテルのスイートルームとまさにセレブ生活を送っているという。記事は、そのカネの出どころが錦織であるとしていた。

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