コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき5

実話ヤクザホラー! 「あそこは出る」と刑事も怖がる組事務所

2017/08/06 16:00

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

 夏といえば怪談ですね。実は、不良にはスピリチュアル好きが多いです。「御朱印集め」がブームになる前からみんな集めてましたし、怪談や占いも好きですね。大きなパワーストーンのブレスレットは、ヤクザファッションの定番でもあります。

 また、幽霊など縁起の悪いデザインの刺青も魔除けとして人気があります。角界の「オシャレ番長」こと石浦関の着物も生首と幽霊の柄で話題ですが、デザインはやはり彫師さんだそうです。

 切った張ったの世界で生きているので、縁起を担ぐ気持ちはわかりますね。そういえば、オットの組の若い衆たちも、心霊スポットなどにとっても詳しかったです。以前はよく「姐さん、○○ホテルの○階は出ますから、泊まっちゃダメですよ」とか教えてもらっていました。

■組事務所で「殺し」は(多分)ありません

 殺人や自殺、火事のあった建物で「出る」というウワサは、まあありがちですよね。でも、「○○組の事務所に出る」となると、お聞きになったことのある方は少ないのではないでしょうか。これが実は結構あるんです。

 もともとみんな怖い話が好きですから、「○○事務所の廊下に白い人影がうずくまってる」とか、「入り口にいつも半透明の中年の男が立っている」とかいうウワサはよくありました。そうなると、必然的に「あそこの親分、やっぱり殺(や)ってるんだなあ」とか話題になります。でも、指定団体の事務所のことは警察が常に把握していますから、そこで殺人はまず起こらないと思うんですよ。

 そもそもヤクザの事件は目立つだけで、実際にはそうそう殺人は起こりません。ヤクザはカッとなって殴ったり蹴ったりすることはあっても(これもよくないですけど)、殺してしまったら自分も長い懲役に行かなくてはならないし、場合によっては親分にも殺人教唆の嫌疑がかかり、「使用者責任」も追及されますので、そういうことは計算しているはずです。だから、事務所に出る幽霊さんはおおむね「ヤクザに殺された人」ではないと思います。

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