カルチャー
映画『黒い暴動♥』イベントレポート

ガングロギャル映画『黒い暴動♥』、アラサー女子こそ“ギャルマインド”に触れるべき理由

2016/08/27 19:00
(C) 2016『黒い暴動♥』フィルムパートナーズ

 その取材の中で、「なぜそういった(人から偏見の目で見られやすい)ファッションをするのか?」という質問を受けてBLACK DIAMONDのメンバーが言い放ったという「だって外野なんて空気でしょ」という言葉は、監督に衝撃を与えたそうで、本作のキャッチコピーとしても採用。そんな監督からの出演オファーについて、BLACK DIAMONDのメンバーは、「世間では『ビリギャル』みたいな、ギャルをひねったり誇張したりするものばかり。でも今回は、自分たちがありのままで映画に出られるということだったからすごくうれしかった」と振り返った。

 映画の登場人物と同じように元ガングロギャルで現在アラサーとなった木夏は、「私にとってはリアルであり、ファンタジーでもある話」と感慨深そうに本作の魅力を語った。監督も「日本において強い女性のムーブメントはこれまでになかった中で現れたのがギャル。うまくいかない人生の中で、結局は戦っていくしかないという開き直りにも近いギャルマインドは、普遍的なテーマ」と締めくくり、イベントは終了した。

■「外野なんて空気」という言葉に込めた、アラサー女子への思い

 イベント終了後、あらためて宇賀那監督に話を聞いた。

 本作において、なぜ高校生のギャルだけでなく、“アラサーになった”ギャルにも焦点を当てたのかについて、監督は「アラサー女子たちは、自分の年齢を、“人生における1つのターニングポイントだ”とする意識がものすごく強いから」と話す。現在32歳の監督自身、周囲のアラサー女子は、結婚、出産、仕事、収入などを意識し、自分の社会的立ち位置、また周囲からの視線をすごく気にしていると感じてきたそうだ。そのため、「ギャルの『外野なんて空気』というマインドが一番響く年代だと思った」と分析した。

 ただ監督は、そんなアラサー女子たちを「外野なんて空気だよ!」と励ましたいというよりも、外野を気にしてしまう繊細さを愛おしいと感じているそうだ。「いろいろと迷う彼女たちを否定したくない。偏見が多いギャルも、周りを気にしてしまうアラサー女子も、『それでいいと思う』と肯定したいんです。外野にも、彼女たちをちゃんと見ている人がいる」と、ギャルやアラサー女子に対する姿勢を述べていた。

 また、脚本を書くにあたって、監督は並々ならぬギャル研究を進めたという。本作の登場人物である3人のギャルは、実在の人物がモデルになっているそうだ。「その3人とは、当時カリスマ的なモデルだったけれど、今はそれにとどまらず、一風変わった活動をしている子。『egg』から別雑誌に移籍して、いつの間にか消えていった子。『egg』の方針通りに従い、モデルとして一度売れ、現在は昔の栄光で稼いでいるような子。過去との対比で感じる物悲しさも含めて、3人の異なる生き方から、脚本を膨らませていった」と語り、リアルな作品を作るための監督の熱量が感じられた。

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