コラム
【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記15

夫の不倫相手は裁判所に来なかった 慰謝料請求裁判の第一回口頭弁論

2016/04/28 15:00
Photo by Kazuhisa OTSUBO from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■夫の不倫相手の両親への手紙

 夫の不倫相手であるさなえ(仮)のご両親に宛てて手紙を書くことを決意したものの、文面にはとても気を使いました。というのも、本来は、ご両親には関係のないことであるという前提がありますし、赤の他人から、自分の娘への非難が込められた手紙を受け取っていい気分になるわけがありません。さなえへの非難を書きたくなる気持ちをぐっと抑えて、できるだけ感情的にならないように気を使いながら、以下のような内容をしたためました。

・自分の配偶者と娘さんが不倫をしているということ。事実を知り「別れてほしい」と頼んだけれども拒否されたこと。
・その後も再三、連絡をよこして、不倫関係を続けていたこと。
・やむを得ず、弁護士を通して慰謝料請求を行ったが、示談の意思がないようなので、裁判所に申し立てたこと。
・口頭弁論の日時
・口頭弁論に代理人などを立てずに欠席した場合は、こちらの言い分のみで判決が出されること。
・慰謝料請求が認められる判決が出た場合は、口座や職場の給料が差し押さえられること。

 なんらかの動きがあることを期待して、ポストに投函したものの、数日たっても、先方からは、何のレスポンスもありません。届かなかったのか、はたまた、関係ないと無視を決め込んだのかと考えているうち、結局、さなえが送達(裁判所からの郵便物)を受け取らないということで、第一回の口頭弁論は流れてしまいました……。

■第一回口頭弁論の傍聴へ

 しかし、いよいよ手詰まり。裁判に勝っても、実質は負けのパターンかと落胆していた第一回目の口頭弁論予定日の翌日、弁護士事務所から連絡が入ったのです。なんと、さなえが裁判所に訪れて、訴状を受け取ったということ。両親に手紙を書いたことは無駄じゃなかった!

 弁護士事務所の「次の口頭弁論日には、本人か、代理人が来ることが予想されます」という言葉に「ようやく! ようやく、さなえ側がアクションを起こした!」と喜びつつも、改めて設定された第一回口頭弁論はひと月も先です。焦る思いに落ち着かない日々を送り、ようやく迎えた当日、わたしは自分の裁判を傍聴するために、地方裁判所へと足を運びました。

 裁判所に足を踏み入れたのは、もちろん、初めての経験です。弁護士事務所から、裁判の日時は聞いていましたが、法廷の部屋番号は伝えられていませんでした。なので、当日、裁判所に到着すると、エントランスホールのテーブルに用意されている開廷表で、自分の裁判がどこで行われるのかを調べました。開廷表には、裁判の始まる時間・事件番号・原告と被告の名前・事件名・法廷番号などが書かれていて、この法廷番号が裁判の行われる部屋の番号となっています。

 わたし以外にも傍聴する裁判の部屋番号を探している人は10人以上いて、「今日はどんな裁判あるのかね、あっ、これなんてどう?」と連れの人と会話をしている傍聴マニアらしき人もいました。法廷番号を確認し、少し早めに法廷の前の廊下で時間を潰していると、同じように廊下をうろついている初老の女性と男性がいて、「ひょっとしてさなえの両親か?」とドキドキしましたが、わたしにまるで興味のない様子だったので、「いや、違うみたい……」と思い直して気分を落ち着かせました。

 時間になり法廷に入ると、前の裁判から傍聴している人たちが数人、席についているのが、目に入りました。しかし、誰も立ち上がる様子はありません。先ほど廊下にいた男女も着席しています。こんな小さな裁判でも傍聴するモノ好きがいることに驚きを覚えながら、わたしも適当な席に座りました。

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