カルチャー
『男をこじらせる前に』湯山玲子×『ルポ 中年童貞』中村淳彦 対談【前編】

『男をこじらせる前に』湯山玲子×『ルポ 中年童貞』中村淳彦が語る“男の病理”

2015/04/25 19:00

■現代男性は理不尽と出会わない

中村 『ルポ 中年童貞』は女性に排除された男性だけに注目しましたが、『男をこじらせる前に』には、自分も含めてほぼ全ての男がターゲットになっている。特に驚いた指摘はアラフィフになっても元気で、息子をそばに置いておきたい母親と、ずっと子供のままで母親の恋人を続けようとする息子の例でした。息子を次の代に伝えていこうとする発想がないことに、母親がそんな自己中心的な考えを持つなんて、と鳥肌が立ちました。

湯山 家制度がゆるくなり、何が何でも跡取りとして息子を結婚させ、次世代にイエを存続させていかねば、というプレッシャーがなくなりつつありますからね。母親はかつて、イエのために無理矢理子離れしたものですが、もうその必要もない。こういった母親とマザコン息子の関係は何も専業主婦の母親に限った例ではありません。私と同世代で、キャリアもあって、カッコいい旦那さんがいる女性も、「息子は恋人」と公言していて、大学生になる息子から夕飯のメニューについてのメールが来る、という。

中村 女性と社会から排除されがちな中年童貞的な男性に育ってしまったら、非常にツライ人生になります。母親が自分の欲望のために、息子を犠牲にする選択は、男からみれば考えられない。まったく共感できません。母と息子の癒着から、息子が脱却できるチャンスはないのでしょうか?

湯山 いわゆる「去勢」の機会ですよね。不条理に自分を支配、攻撃してくる外部の力」に出会って、世の中って自分の思い通りにならないんだ、と知るハードな機会が少なくなっていますよね。かつては体育会や少年野球チームなどに入って、監督にガンガンやられて、万能感をなくすことを経て、ひとりで生きていく脚力をつけていった。自分を否定する勢力とめぐり合えるチャンスだったのだけれど、今は体罰ひとつあってもお母さんが大騒ぎだから難しいでしょうね。子どもが「理不尽」をママに訴えれば、ママはそれを解決してしまう、というケースが本当に多くなっていると思います。ちなみに、女性が男性より強いのも、自分を否定してくる勢力や理不尽さと出くわす場数が多いから。「女の子なんだから、進んで家事手伝いしなさい」系の不条理は、小さくまんべんなく女の周りにあるのですから。

中村 自分を否定してくる勢力とは何ですか?

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