コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

「浮気常習犯」とみなされた矢口真里が、“女無頼”キャラになれなかったワケ

2014/11/02 15:00
「青春 僕/青春 俺」/hachama

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「昔からヤンチャやったやろ? そうやろな」宮根誠司
『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系、10月23日放送)

「女の浮気は、男の10倍罪が重い」

 矢口真里の自宅お持ち帰り不倫および元夫と鉢合わせ事件が世に与えた教訓は、こんなところだろう。しかし、配偶者の留守に、自宅に異性を連れ込むというのは、そんなに珍しい話ではない。

 その昔、俳優の大鶴義丹が、当時の妻であるマルシアの不在時に、女性を連れ込んで鉢合わせしたこともあった。義丹は、会見を開いて「マーちゃん、ごめん」「離婚はしたくない」と謝罪するも、離婚。イメージはそれなりに低下したが、芸能活動の休止には至らなかった。大鶴義丹は、その後、高校の同級生と再婚し、バラエティにおいては、浮気しそうなキャラを堂々と演じ切っている。

 しかし、女はそうはいかない。矢口は1年5カ月の休業を余儀なくされ、やっと『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)で復帰した。矢口の口を滑らかにさせるためだろう、宮根誠司は矢口を褒めたおす。

「結局、スターなんですよ。テレビの前に報道陣がいるのは、求められてる証拠」
「モーニング娘。時代からの業績と、今回の騒動を天秤にかけても、やぐっちゃんが楽しませてくれた方が重い」

 しかし、宮根のヨイショにもかかわらず、一番肝心な部分「お持ち帰り不倫をして、夫と鉢合わせしたのかどうか」について、矢口が語ることはなく、「離婚時の契約なので、話せない」「悪いのは100%私」と自らの非を認めるに留まった。

 会見前、マツコ・デラックスは「無頼派キャラで行った方がいいと思う」とアドバイスしていたが、実際の矢口は「清純派」としてのイメージの回復に必死である。その昔、覚せい剤取締法違反で逮捕された酒井法子が告白本『贖罪』(朝日新聞出版)を出版した際、表紙の撮影のため、スタイリストが用意した衣装は、白と黒の2パターンだったという。これはこの2色が、反省の意を表す最適な色と判断したからだそうだが、矢口の衣装もまた、白いブラウスと黒いスカートであった。元モデル梅田賢三とは現在同棲中と公表、つっこまれることがわかっていながら、わざわざ指輪をしていたのも、「最初は不倫でしたけど、彼とは本気でつきあっています」という純愛アピールに私には見えた。

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