コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

元フィギュアスケーター・鈴木明子、母にとっての完璧な娘が陥る“恋愛”の落とし穴

2014/06/06 19:00
『ひとつひとつ。少しずつ。』(KADOKAWA/中経出版)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

「母に認めてもらえた」鈴木明子
『私の何がイケないの?』(TBS系、6月2日放送)

 「気が利く」とか「かゆいところに手が届く」ことを美徳とする日本社会では、相手の気持ちを先回りして考えられることを良しとする気風がある。それができる人は、相手の心の機微に敏感ということであり、繊細な感受性の持ち主であると言えるだろう。しかし、繊細な女性はあれこれ気を遣いすぎたり、優しさを食い物にされるという意味で、疲弊しやすい。このような女性は、強い精神力を必要とするオリンピックのような大舞台には向かないと思われがちだが、傷つきながらも繊細さを表現に昇華させたのが、元フィギュアスケート選手の鈴木明子である。

 鈴木は過去に拒食症を患い、克服した経験を持つ。拒食症はダイエットが原因と考えられがちだが、実は心の病であり、母と娘の関係が原因であることが多いそうだ。「フライデー」(講談社)によると、鈴木の母親は大変優秀で、鈴木は勉強もスケートも「一番で当たり前」という母の考えを感じながら生きてきたという。母親にとって、理想の娘であろう、完璧であろうと自分を追い詰め、とうとう拒食症を発症。母もどんどん痩せていく娘に驚いたが、医師のアドバイス通り、娘を励ます。

 冒頭の「母に認めてもらえた」という言葉は、母の励ましを聞いた鈴木の感想である。鈴木は、驚異のスピードで拒食症を克服して、半年後にリンクに戻った。バンクーバー、ソチオリンピックを経験し、2014年に世界選手権で第6位という堂々たる成績を収め、現役を引退したことは記憶に新しい。

 一流アスリートの宿命だろうが、練習漬けで過ごしてきた鈴木は、同世代の女の子が当たり前のようにやっていることを知らない。同番組では、29歳にしてネイルやヘッドスパに初挑戦し、感激していた。恋愛や結婚にも興味津々だが、「ぶっちゃけ、どういう人がタイプかわかっていない」という鈴木に、大きなお世話ながらも、一抹の不安を感じずにいられない。

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