カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「an・an」6月26日号

「an・an」華やかな女子旅特集に垣間見た、「給湯室での悪口大会」っぽさ

2013/06/25 16:00

■「an・an」にキラリと光る女子会話テクニック

 リフレッシュしたい、おいしいものをたくさん食べたい、素敵なところに泊まりたい、いつもとは違うこともしたい……旅は非日常であり、普段たまっているアレコレを一気に発散させてくれるものです。とはいっても、「休みは取れないし、取れたとしても家で寝ていた」というのが現実。

 そんな読者のためのコーナー「家にいながらにして旅気分を味わえるエンタメ選」も掲載されていました。『いい旅夢気分』(テレビ東京系)、『遠くへ行きたい』(日本テレビ系)や、DVD『ニライカナイからの手紙』などが紹介されています。

 この旅番組紹介は、女子2人が語り合う対談形式で展開。「『いい旅夢気分』では女優の思わぬすっとこ私物も見られる」と、さくっとトゲのある一言を挟みつつ、中盤では「あの番組」に対する苦言が呈されます。

「旅番組の案内人は、お金と時間に余裕がある感じの人たちがいいんでしょうね」
「ただ余裕があるのも考えものよ。『若大将のゆうゆう散歩』とか…」
「旅番組って出演者の人柄とかが透けてしまうのよね」

 『若大将のゆうゆう散歩』(テレビ朝日系)は『ちい散歩』の後番組で、出演は加山雄三。その殿様ぶりで、視聴者からの人気の不振がよく知られているという、批判されるのも頷ける番組なのですが、ここから女子たちの暴走がスタート。「そういう意味で、いまもっとも熱いのは太川陽介さん」という一言から、土曜スペシャル『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)のリーダー・太川さんの胸キュン話を語ります。ハートマークが文中に増える増える。

 女に対してちょっと意地悪な態度を取り、偉そうなオジサンには苦言、そして爽やかなジェントルマンは賞賛。悪い意味での女子会感、もっと言えば給湯室での悪口大会っぽさすら感じます。「女子旅」のワードから「an・an」が感じさせたいはずのプラスのイメージが、このコーナーからはまったくうかがえません……。

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