仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

工藤静香、インスタでの「漬物作ってます」投稿に見る“メリー喜多川並み”のしたたかさ

2017/03/09 21:00
kudoshizuka0309
「木村拓哉の妻・工藤静香です…」

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「今朝からずっといろいろな漬物作ってます」工藤静香
(工藤静香公式インスタグラムより)

 女性芸能人の元ヤンキー率は高い。80年代のアイドル、工藤静香もその1人だが、工藤がほかの元ヤン芸能人と比べて段違いに優れているのは、“目上のオンナ”に対する嗅覚ではないだろうか。

 おニャン子クラブから、念願のソロデビューを果たした工藤は、歌番組へ出演するようになる中で、女性の司会者への“おみやげ”を忘れない。例えば、『歌のトップテン』(日本テレビ系)の司会者である和田アキ子に、「お母さんがぁファンでぇ~」と例の口調でおもねる。和田は「すき焼きを食べたことがない」という工藤を食事に連れ出し、その後工藤は、ご馳走してもらったことをきちんとテレビで報告していた。『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)では、気難しいと評判の女優・加賀まりこがサブ司会を務めていた時期があったが、「日本で最初の小悪魔は加賀さんだってお父さんが言っててぇ~」と懐に飛び込んでいく。オジサン司会者の機嫌を取る方がトクだと思われがちだが、オジサンはもともとアイドルには甘いので、影響力のある同性を攻略した方が、実はメリットは大きいのだろう。

 「80年代アイドル四天王」といわれるほどの好セールスを記録したことも相まって、工藤は和田やタモリといった大物以外には、先輩であってもタメ口で接するようになる。敬語を使わないということは、相手を“目下”扱いするということだが、工藤にとって明らかに“目下”なもの、それは、女性のマネジャーではないだろうか。

 かつて、滝沢秀明と藤井隆がMCを務める『music‐enta』(テレビ朝日系)という音楽番組があった。この番組に出演した工藤は、例によって“タメ口”でおニャン子時代を振り返る。工藤の言葉を借りて説明すると「煙草を吸っちゃ消し、吸っちゃ消し」「煙草を噛んでいるように吸う」という「女マネージャー」に、当時、1週間楽屋に制服をおきっぱなしにしている(学校をサボっている)ことをとがめられたというが、それを悪びれる様子はなかった。この女性マネジャーがいなければ仕事にならないはずなのに、敬意がみじんも感じられなかったことが印象的だった。

 そんなもともと謙虚なタイプとは言い難かった工藤だが、木村拓哉との交際発覚後、“料理上手”という方向に世論を誘導し始める。過去に『Matthew’s Best Hit TV 』(テレビ朝日系)で、MCの藤井隆に「得意料理は何ですか?」と尋ねられたところ、「わかんなぁい。だって私、冷蔵庫にあるもので、な~んでも作っちゃう人だからぁ」と込み入った自慢を披露し、『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)に出演した際にも、MCのダウンタウンに、ぬか漬けを差し入れした。ぬか床が一朝一夕にでき上がらないことを考えると、「自分は本当に家庭的」とアピールしたかったのだろう。

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