テレ朝&東映、大歓喜!!

視聴率低迷中の『相棒』、劇場版が「過去最高」の大ヒットを飛ばしている理由

2017/02/22 18:19
aibou5movie
『相棒‐劇場版IV‐首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』公式サイトより

 2月11日に公開された映画『相棒‐劇場版IV‐首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』がヒットしている。「週末観客動員数ランキング」(興行通信社調べ)では、1週目(11~12日)が1位、2週目(18~19日)が2位と好調で、「週間観客動員数ランキング」でも、1週目(11日~17日)は堂々の首位となった。

 初日、2日目の動員数は2日間で31万6,539人、興行収入は4億174万3,800円で、今年に入って公開された邦画、洋画の中でナンバー1の好成績。過去の『相棒』シリーズの公開2日間と比べると、『劇場版I』(2008年5月1日公開)は動員32万6593人、興収3億5347万2,250円、『劇場版II』(10年12月23日公開)は24万8,398人、3億93万8,100円、『劇場版III』(14年4月26日公開)は21万2,564人、2億7457万600円で、今作は動員こそ過去最高の『劇場版I』より下回ったが、興収では歴代最高の好発進となった。

 ドラマ版(テレビ朝日系)には、15年10月に放送開始した『season14』より、“4代目相棒” 冠城亘(反町隆史)が登場したが、視聴率は低迷。『season13』までは、20%近い数字をたびたびはじき出していたが、ここ最近は15%にすら乗らないことが多くなった。今回『劇場版IV』の公開に先駆けて、2月1日(第13話)、同8日(第14話)の放送回は特別編成となり、劇場版にも出演する“2代目相棒”神戸尊(及川光博)、名物鑑識官・米沢守(六角精児)が久しぶりに登場したものの、視聴率は1日が14.6%(ビデオリサーチ、関東地区/以下同)、8日は14.5%とイマイチ。そのため、『劇場版IV』の動員も不安視されていたが、見事にその下馬評の低さを覆した。

「正直、ドラマ版は反町の評判も良くないですし、マンネリ化が叫ばれているのも事実です。しかし『劇場版IV』は、『相棒』を卒業した及川や六角の復活、またドラマではめったに出てこない仲間由紀恵の出演で、観客に“懐かしさ”と“目新しさ”の両方をアピールできたのではないでしょうか。それに、前作の『劇場版III』の評判がかなり悪かっただけに、『今作は面白そうだ』といった期待値が高まるかたちで口コミが広がったのも動員につながったはず。もちろん、ドラマ版の視聴習慣はないものの、劇場版は見ておきたいという潜在的な『相棒』ファンが、多数見に行ったとも分析できそうです」(映画ライター)

 ただし、今作がヒットした最大の要因は、「単純に競合する話題作がなかったから」(同)との指摘も。

「同日公開の邦画で競合する作品は、小日向文世主演の『サバイバルファミリー』くらいしかなかったので、映画ファンとしては、選択肢が限られていました。これまでの劇場版は、公開がゴールデンウイークや、年末で、当然この時期は話題作が並びますから、どうしても競合相手が多かったんです。今作のヒットは、公開時期によるところはかなり大きいと思いますよ」(同)

 公開2週目までは好調な『劇場版IV』。果たして、このまま好成績を維持して、『劇場版I』の最終興収44億4000万円を超えることができるだろうか?
(田中七男)

最終更新:2017/02/22 18:19
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豊に詰められなくて済んだスタッフさんに拍手
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