『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』著者・稲葉圭昭氏インタビュー

「ムショには反省してない連中もいます」逮捕された元警部が語る、覚せい剤の誘惑と刑務所生活

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稲葉圭昭氏

 2002年夏、北海道警察の現職警部が覚せい剤取締法違反(使用、所持)などで逮捕されるという前代未聞の「大事件」が起こった。逮捕されたのは、稲葉圭昭(よしあき)警部(当時48歳)。一審で懲役9年・罰金160万円の刑が確定、服役した稲葉氏は、2010年6月に仮出所した。翌11年10月には『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』(講談社)を出版、自らの罪と北海道警察の闇を綴って再び注目された。同書が綾野剛主演で映画化され、『日本で一番悪い奴ら』というタイトルで6月25日から公開される。公開を前に稲葉氏に覚せい剤の誘惑や刑務所での生活について聞いた。

■上司の指示通りに動くことだけを考えていた

――逮捕以前は「銃器捜査のエース」として、業績を上げられていました。

稲葉圭昭氏(以下、稲葉) 私は人生の26年間を警察官として過ごし、自分なりにがんばってきたつもりです。最近のヤクザの抗争は車両特攻や火炎瓶投擲(とうてき)などがほとんどですが、以前は街中での銃撃戦も起こっていました。北海道でも大きな抗争がありました。

 また、1992年には金丸信(自民党副総裁・当時)銃撃事件が発生し、警察庁主導で拳銃摘発が急務となりました。全国の警察に「銃器対策課」が設置され、私も配属されることになります。そんなに簡単に銃を摘発できるわけはないのですが、ノルマ達成に焦る上司の指示で、ヤクザと取引して銃を提出させるようになりました。当時の上司たちは、ヤラセ捜査をむしろ奨励していたのです。

 一方で、私は「どんな手段であっても、拳銃を一丁でも多く摘発すれば、世の中が平和になる」という単純な考えで罪悪感を解消させて、違法な押収を繰り返していました。それで、無実の人間を刑務所に送ってしまったこともあります。

――97年に拳銃所持で逮捕された、ロシア人の元船員の事件ですね。懲役2年の実刑判決を受けて服役しましたが、稲葉さんの証言もあって、16年春には再審請求が認められています。

稲葉 本当によかったと思っています。詳しいことは『警察と暴力団 癒着の構造』(双葉社)に書いたので、読んでみてください。

――当時は、ヤラセ捜査に対する罪悪感はなかったのですか?

稲葉 そんなことを考える余裕はありませんでした。とにかく拳銃を摘発することと、上司の指示通りに動くことだけを考えていました。覚せい剤の摘発についても同じです。2000年には道警の銃器対策課と函館税関が拳銃摘発を目的とした「泳がせ捜査」に失敗し、香港から密輸された覚せい剤130キロと大麻2トンを国内に蔓延させてしまったことがありました。末端価格は100億円くらいです。この事件も、うやむやにされて現在に至っています。

■覚せい剤をやめるには、家族の支えが不可欠

――組織のために汚れ仕事を続けていたということですね。それがなぜ自ら覚せい剤を使うようになってしまったのですか?

稲葉 覚せい剤については、何を言っても言い訳にしかなりません。でも、本当に警察の仕事に命を懸けていたし本気でやっていたのに疎外されていったのです。さんざん汚れ仕事をさせたくせに、「稲葉はやりすぎじゃないか」と上司たちがよそよそしくなっていったんです。ハシゴを外され、不安で自暴自棄になってしまったんですね。もちろん私もやりすぎは否定しませんが、私がロクに休みも取らずに命懸けでヤクザから情報を取っている時に、さぼってパチンコをやってる同僚はたくさんいました。

 比べるのは失礼かもしれないけど、著名人が薬物を使う気持ちはわかる気がします。いろいろプレッシャーがすごかったのでしょう。そういう不安な時には、覚せい剤の誘惑に負けてしまうのです。でも、逮捕される時は、覚せい剤をやめられる時でもあります。逮捕されたらリセットされます。あとは前を見ていくしかないですね。

――覚せい剤事案には、再犯者も多いようです。やめるには、どうすればいいのですか?

稲葉 売人との関係を断つことと、周囲の支えは不可欠ですね。私は長い懲役に行き、家族が支えてくれたおかげで社会復帰できました。私の逮捕時は道内では事実でないことまで報道されていたので、一家離散でもおかしくなかったのですが、妻がしっかり家を守ってくれました。今でもアタマが上がりません。

 逆に言うと、支えてくれる人がいないと、寂しくてまた手を出してしまうことにもなりかねません。家族に支えられ、自分も家族を守るんだという意識があれば、クスリは不要になります。

まさに「塀の中の懲りない面々」(安部譲二)

しぃちゃん

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