[TVツッコミ道場]

『リンカーン』名場面集に集約されていた、「打ち切り」の寂しい理由

rinkan.jpg
『リンカーンDVD 10』(よしもとアール・アンド・シー)

 今回ツッコませていただくのは、一部週刊誌で「9月打ち切り」と報じられた『リンカーン』(TBS系、8月27日放送分)。「300回突破記念企画」として「リンカーン頑張った大賞」が放送されていたのだが……。

 実は『リンカーン』がまだ続いているということ自体、「打ち切り」報道によって初めて知った(というか、番組の存在を忘れてた)という人も案外少なくないのではないだろうか。視聴率が低迷するとともに、世間の興味はすっかり薄らいでいたように思える。

 そんなわけで、「300回突破記念」として久しぶりに番組を見てみたのだが、一番驚いたのは、紹介されるVTRがことごとく「見たことのあるものばかり」だということ! 自分自身、番組が存続していることを忘れていたほどご無沙汰状態だったのに、「名場面」とされるものは全部知っている。

 しかも、VTRで見るメンバーの面々は、みんなすごく細い。本当は2005年スタート時からずっと続いてきた番組なのだから、流される映像の体型変化も緩やかであって良いはずなのに、これだけ細い時代のものばかり揃うということは、「良い場面」がみんな昔のものだということだろう。このVTRのチョイスに、「打ち切り」がうわさされる理由のすべてが集約されているような気がして、寂しい気持ちになる。

 さらに寂しさを誘うのは、「頑張った大賞」といいつつ、さまざまな切り口で部門別に「頑張った」賞を決めるのではなく、メンバー全員に等しくそれぞれの「頑張ったベスト3」を取り上げていること。

 まるで順位をつけない徒競走、優劣をつけない学校みたい。自分たちが映るVTRをうれしそうに眺める出演者の姿は、なんだかとっても温かくて穏やかで、切なさすら感じた。思えば、05年の番組開始時には、ダウンタウンと中堅芸人との共演、特に他事務所のさまぁ~ずやキャイーンとの組み合わせが実に新鮮に映った。

 日頃、絡みのなかった芸人と絡むことで、刺激を受けるのか、ともすれば倦怠期に見えるダウンタウンのコンビ間にも新しい風が吹いたように見えたものだった。数々の名物企画も生んできたし、素で笑う松本人志は微笑ましかったし、ほかではあまり見たことのない浜田雅功の色んな顔(イジられる情けなさや不器用さ、女装の可愛さ&美脚など)も発見できた。

 過去の名場面をあらためて振り返ってみると、涙が出るほど笑った企画もたくさんあったし、過激なシーンもたくさんあった『リンカーン』。でも、そうした過去を、出演者自身が視聴者と同じように「懐かしさ」の目線で眺めている生温かい現状こそが、誰もが「潮時」を感じている証しだろう。まるで最終回のような、寂しい寂しい300回突破記念突破企画だった。
(田幸和歌子)

その割りに結束感ないんだもん

しぃちゃん

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク