[TVツッコミ道場]

一晩限りの復活を果たした『エンタの神様』に、「エンタ臭」はなかった

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『エンタの神様 ベストセレクション
Vol.1』(バップ)

 4月7日、“今夜限りの最強爆笑ネタSP”という特番のかたちで復活した、『エンタの神様』(日本テレビ系)。『エンタ』といえば、2000年代のお笑いブームを引っ張った番組だ。この番組でスターになった芸人も数多い。

 復活ということで、司会進行役は当時と同じく福澤朗と白石美帆、セットやナレーション、BGMなんかも同じで、以前の『エンタ』の空気がきちんと作られている。だからか、放送終了からまだ1年ちょっとしかたっていないのに、どこかちょっと懐かしい。

 今回の出演者は、オリエンタルラジオ、アンジャッシュ、ナイツ、アンガールズ、サンドウィッチマン、スリムクラブ、陣内智則、アンタッチャブル、パンクブーブー、東京03、ドランクドラゴン、タカアンドトシ、波田陽区(出演順)。さすが復活特番、豪華な顔ぶれだ。

 しかし。たとえばサンドウィッチマンの登場ナレーション。

「M-1チャンピオンのふたりが、今夜最強ネタで笑いの底力を見せつける!!」

 スリムクラブのときには、

「エンタのレギュラーからM-1準優勝したのは、このコンビ!」

 そしてパンクブーブーは、

「M-1、THE MANZAI、2冠の帝王が自信をもって見せるネタはこちら!」

 こうなると、東京03では、当然こうなる。

「キングオブコントの王者が今夜も笑いの実力をみせる!」

 「ハク」の部分というか、コンテスト実績のところが強調ぎみに聞こえてしまった。豪華だけど人気と実力、そして実績重視の顔ぶれは、各コンテストのチャンピオン大会のようでもある。だからか、それぞれのネタはみんな面白かったのだが、『エンタ』だけど『エンタ』じゃなくてもいいような感じも少しある。

 では、『エンタ』っぽさとは何なんだろうか。『エンタ』といえばやはり、大ブームを巻き起こしたものの、結果的に一発屋を大量に発生させてしまった番組でもあった。時折揶揄される表現としても使われた、「エンタ芸人」という言葉も生まれた。『エンタ』だけでやるネタや、『エンタ』出演時に芸名を変えて出た、アクセルホッパー(永井佑一郎)や摩邪(まちゃまちゃ)なんかもいた。

 今回は7年ぶりだという波田陽区の「ギター侍」をエンディングに持ってきたり、スリムクラブが「フランチェン」をやったりして、「『エンタ』ならでは」感を出していた。でもどうせなら、小梅太夫(現・コウメ太夫)、桜塚やっくん、ヒライケンジ、こりゃめでてーな、姫ちゃん、たいがー・りー、KICK☆……名前列挙しただけでもう懐かしいが、「くだらねーな」と言いながらもこれらの面々を見てこそ、「ああ、『エンタ』だなぁ」という、見てる感が出てくるような気はするのだが。青木さやか、だいたひかる、にしおかすみこ、長井秀和らも、『エンタ』のイメージが強く、カンニング竹山のキレ芸も見てみたい。

 今回の復活特番は、次回の特番または将来的な番組復活(新たなネタ番組か、『エンタ』そのものかは分からないけれど)への手応えチェックという事情も役割も担っていたのだろうか。手堅くいきたかったという事情もあるのかもしれない。でも時間がたってみると、このいわゆる「エンタ芸人」のネタも、それはそれで味わいがあるような気もする。いっそ深夜にでも、「ここでしか見られない エンタ芸人」としてネタばかり見せてくれる番組があれば、ウケるような気がする。でもそれって結局、東野幸治・藤井隆抜きの『あらびき団』(TBS系)か。
(太田サトル)

『エンタの神様 ベストセレクション Vol.1』

一番復活を喜んだのは、白石美帆

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