[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

「ブ男とは友達になる気はないんじゃないか」と表参道の人種を見ながら思った

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(C)安彦麻理絵

 なんとなくズダボロ……。赤ん坊に、夜中に約1時間おきとかに起こされて、ミルクやったり、あやしたりしてるもんで……。ちなみに私、母乳さっぱり出んもんだからミルクなのである。そのおかげで酒が飲めるのであった。それにつけても、なんかしらんが赤ん坊の奴、ミルク飲んでる時はウトウトしながら飲んで、飲み終わった後は完璧寝てるふうなのに、なぜか部屋の電気を消すと、「ぱっちり」と目をあけているのである。暗闇の中で、赤ん坊の黒目がランランとしてる姿って、けっこう恐い。しかもこれが「ニコニコ笑ってる」とかならまだしも、何の感情も見いだせないような「無表情」ときてる。無気味。そんな状態で、この子がいきなり「末代まで祟ってやる」とか、突然、野太い男の声で喋り出したらどうしよう……などとホラーじみたことを考えてしまい、恐くてどうしようもなくなる私なのであった。実際、子供や赤ん坊がいきなり大人の声で話し出す、なんて怪談があるからシャレにならん。

 ところで先日、ようやく5カ月ぶりくらいになるだろうか、久々に美容院へ行ったのである。なにしろ妊娠中は「駅前まで歩くのすらキツい」という、安静を強いられるような状態が続いていた。半年近くほったらかされた髪の毛は、白髪にまみれ、うねり、ゴワついて、まるで「どうせ私なんて」が口癖の、やる気のない女みたいになっていた。そんな髪の毛に喝を入れるがごとく、表参道の美容院に予約を入れ、久方ぶりにそんなウワついた街に足を踏み入れてみた。いやー、すごいなぁ、表参道って。行くたびにカンドーするんだけど、私。だって、「美男美女」の数がハンパじゃないもの。美男美女の数、絶対多いと思う、思いませんか? 少なくとも、私の住んでる高田馬場に比べたら、もんのすごく多い(ちなみに高田馬場は、他の街に比べたら「童貞率」が圧倒的に多いのではないか、と私はにらんでいる)。

 とにかく、「フツーよりもちょっとイケてる」とかじゃなくて、あきらかに「フツーじゃないくらいイケてる」そんな男女がスララ~っと、すましこんで歩いている。ものすごく顔が小さくて、ものすごく手脚の長いモデル風の美女とかを目の当たりにすると、本当にびっくりしてしまう。一般人レベルじゃない美人を見た時の感動って、多分パンダとかの珍しい生き物を見た時の感動に近いかもしれない。男にしたって、「クラスのかっこいいダレソレ君」とかのレベルではなく、「雑誌やテレビでしか見ることができない」みたいなそんな域に達してる野郎たちが、普通にあちこちにいたりする。「多分、ブ男とは友達になる気はないんじゃないか?」と思われるような、超美男子二人連れも見かけたし。根が田舎者のせいだろう、私は本当に、こういう人種だらけの場所に来ると、まるでシャブでも打ったかのような、そのくらいノーミソにキョーレツなショーゲキを受けるのである。

 てなわけで、肝心の美容院だが、久しぶりだったせいもあるかもしれない。自分の中での「お金をかける優先順位」が変わったのである。

「もう、これからは、化粧品だの何だのにお金を費やすのではなく、美容院にお金をかけよう!!」

 そのくらい「ヘアスタイルをちゃんとするって大事!!」と、痛感したのであった。なにしろ、美容院行く前はほんとに、『おしん』に出てた泉ピン子みたいな頭だったから……。よーするに、伸ばしっぱなしの白髪だらけのゴワゴワの髪を、ゴムでひとつにまとめてるだけっていう。「貧乏人」とか「悲壮感」丸出しの、そんな状態だったから……痛感して当然である。

 ちなみに美容院の帰り道、表参道ヒルズんとこで浅野忠信を見た。やはり男前だった。やはり表参道ならでは、という感じがしたのであった。

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