『恋愛漫画家』著者インタビュー

1,000万円の貢ぎは”おもしろさ”への対価! 桜木さゆみの恋愛道とは?

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『恋愛漫画家』(ぶんか社)

 恋愛に何を求めるのか? 男性に何を求めるのか? という究極の問い。価値観の一致、体の相性、経済力、誠実さ、など己が求めるものがはっきりしていれば、恋愛もうまくいくはず。では、この方が恋愛に求めるものとは……?

 現役女子高生漫画家として17歳でデビュー、それから一貫して自身の恋愛エピソードを描き続け、共感と笑いとツッコミの嵐を呼んでいる桜木さゆみさん。最新作『恋愛漫画家』(ぶんか社)では、10年愛して貢ぎ続けたロクデナシ男・中野さんとの出会いから別れまでが描かれ、多くの女性の支持を受けている。桜木さんは、ロクデナシ男の中に何を求めていたのだろうか。

――10年間交際されていた中野さんとのエピソードはマンガでさまざまに描かれていますが、ズバリ言うとどんな方でしたか?

桜木さゆみ(以下、桜木) 一言で言えば、お金を払ってくれない人。ダメ男にはよくある話ですけど、レジでお金を払おうとするといつの間にかいなくなっているんです。「焼肉食べに行こう」と言われても払うのは当然私ですし。食事だけじゃなく、洋服もバイクも、なにからなにまで買ってあげていて、それでも結局10年付き合っちゃいましたけど(笑)。

――いつロクデナシだって気付いたんですか?

桜木 はっきりと気付いたのは、付き合って半年くらい経ってからです。今思えば、二回目のデートで「10万円貸してくれ」って言われたんですから、そこで気付けって感じですけど。そこから、総額で1,000万円くらいを貢ぎました。でも10年付き合ったので、割ってみるとひと月たった10万円なんです。考えてみたらもっと出してあげればよかったですね。よく彼氏にカードを使い込まれたとか聞くけど、人のカードを使い込んだりするような悪い人じゃないし、そこまで本当にひどい人じゃなかった。憎めない、かわいい人なんです。

――半年で気付いていたのに、別れるまで10年間も経っていたんですか!? 中野さんのどこにそんな魅力があったのか教えてください。

桜木 最初についうっかりセックスしちゃったら、それがもうすっごく良かったんです! 「ヤバ! うまっ!!」って、もうそのセックスにメロメロになっちゃいまして。それで当時付き合っていた最初の彼氏と別れて、中野さんと付き合いはじめたんです。

――セックスの魅力に掴まれてしまったんですね。いわゆる「体の相性がいい」相手だったのですか?

桜木 う~ん、実はセックスをしていても常にマンガにできるネタを探しちゃうんですよ。だから頭が白くなるみたいな、めくるめく快感はこれまで感じたことないですね~。だって、気持ち良すぎて意識が飛ぶとか、あんなの都市伝説みたいなものですよね?

――……スミマセン、それって中野さんが上手くなかったのでは?

桜木 え? ……よく考えたら、そのときは経験人数がひとりしかなかったので、比較するほどの経験もないまま「うまい」と思っちゃったのかもしれないです。最初の彼は、関西出身の若いコで、ガツガツしたセックスだったんです。「ガ~」っときて、ただ挿れるだけのスタイルだったので、中野さんとしたときに「関東の人は、丁寧でいい仕事してくれる!」と、とにかく丁寧な真心こもったスタイルに感動しちゃたんです。

――ダメ男だけどセックスが良いから離れられなかった、と。快感を手放すよりも、貢いでいた方が楽だったのでしょうか?

桜木 いや、一番の理由は、「おもしろさ」ですね! 涙が出るほどおもしろいってなかなかないですよ!  みんなに別れた方がいいってアドバイスされてたんですけど、あのおもしろさは手放せませんでした。最初の彼は、売れない芸人だったんですが、その人はホントつまらなくて。何か言った後にどや顔をするんです。中野さんは、天然っぽい人で普通に会話してるだけでおもしろい。それに、10年付き合っていた期間の後半2年はセックスレス状態だったんです。だから、セックスはそんなに重要じゃなかったのかも。貢いだお金は、むしろおもしろさへの対価ですね。

――その後は別の男性とお付き合いしましたか?

桜木 その後は、ちょっと付き合ってみたんですけど、なんか変な人でした。はじめてデートした時に「セックスできる」と私は思いこんじゃって、「ホテルに行こう」とこっちから言ってしまいました。ところが向こうはそんなつもりなかったらしくて、ホテルに行く行かないで押し問答。最後の方には酔いも冷めてきて、逆にお詫びしたい気持ちになっちゃいましたね。

――その人はおもしろかったんですか?

桜木 おもしろくはなかったんですけど、顔がかっこよかったんです! はじめて顔を見たときに、「かっこいい!」って舞い上がってしまって。中野さんのときは、「セックス」と「おもしろさ」でしたけど、その人は「顔」。私の場合、「顔」「セックス」「おもしろさ」「純粋に好きな気持ち」の4つのうち、どれかがグンと飛び出ている人にハマっちゃうんですよ。

――おもしろくなくても付き合えるんですね……。最近は、中野さんに会いました?

桜木 この間、電話がかかってきて会ったんです。でも途中、「私は本当に愛してたのに!」みたいな緊迫した話になってしまって……。中野さんが「俺だって真剣だったよ!」って言おうと、机に肘をつこうとしたら外してガクっと。真剣に話し合おうと思った瞬間に、その間抜けさだったので、こっちもついうっかり笑ってしまって。そういう天然のおもしろさが別れられなかったポイントだと、改めて思いましたね~。

――もし10年前に戻れたら、また中野さんと付き合いますか?

桜木 付き合いますね。中野さんと付き合っていたときは、人から「何が楽しい?」って聞かれると、中野さんと話しているときが一番楽しいって答えてました。素行のすべてがおもしろすぎた! 昔に戻ったら絶対付き合うと思うけど、今の中野さんは年齢のせいもあって落ち着いてしまい、あの当時のおもしろさがなくなっちゃてるんですよね。おもしろさのない中野さんには魅力を感じないので、ヨリは戻さないと思います。

――今後はどんな恋愛をしたいですか?

桜木 幸せな恋愛をしたら、キャラクターが変わってきっと『彼ごはん』みたいな本を作っちゃうから、当面はこのままかも(笑)。中野さんと付き合ったおかげでハードルが低くなって、エレベーターのボタンを押してくれただけでも「優しい!」って感動できちゃうんです。だからというわけじゃないですけど、きっと次には100%満足できる彼氏ができると思ってます!
(カシハラ@姐御)

『恋愛漫画家』(ぶんか社)
『本当にあった笑える話』(同)で連載していた、恋人・中野さんとの恋愛をまとめた一冊。どこまでも金にだらしない中野さんに総計1,000万円貢いでしまった著者の姿、性生活模様に共感、爆笑、ときにしんみりしてしまう、女子必携の作品。
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