“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第674回】

木村拓哉の弟に不倫報道! 「週刊女性」の興味深い記述とマスコミ倫理の問題とは?

2023/11/14 21:00
神林広恵(ライター)
「週刊女性」11月28日号の写真
「週刊女性」11月28日号(主婦と生活社)(C)サイゾーウーマン

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 これほど腐った組織だったとは。宝塚歌劇団のいじめ自殺問題で、11月10日に遺族の代理人弁護士が会見し、過酷な労働状況やハラスメントを訴えた。が、宝塚側は相変わらずこれらを否定、トラブルはなかったと主張し続けている。美しいどころか腐っている。

第674回(11/9〜11/14発売号より)
1位「キムタク弟に不倫トラブル勃発」(「週刊女性」11月28日号)
2位「木村拓哉の天命『SMAPをもう一度!』」(「女性セブン」11月23日号)
3位「松本潤に新社長が懇願『嵐が退所者を引き留めて!』」(「女性自身」11月28日・12月5日合併号)

 そうきたか。「週刊女性」がスクープしたのが木村拓哉の弟の不倫告発だ。それは、いろいろな意味で興味深いものだった。

 まずは不倫の概要から。キムタクの7歳年下の弟(記事では実名・以下キム弟)は学生時代からアメフト選手として有名で現在は防衛大学アメフトチームでコーチを務めている。私生活では2004年に結婚し2児をもうけたが離婚し、今年23年7月に再婚している。そんなキム弟だが、最初の妻と婚姻関係はあったものの、別居していた20年秋頃から2年にわたり第三の女性A子さんと不倫関係にあったという。記事はA子さんの告発に基づくものだが、その内容は赤裸々だ。

 妻と離婚すると言ってなかなか話が進まなかったこと、キム弟の強い性欲について、20年7月に飲みすぎて車を殴り現行犯逮捕されたこと、ゴムをすると感じないと言ってピル代を払うと言いながら不履行なこと、A子の母に“100万円を払ってもいいから婚約破棄したい”と訴えたこと、などなど。そして23年5月には、知らない女性から“私たち結婚するの”という電話がかかってきて、A子さんはキム弟の再婚を知ったという。

 だが面白いのはここから。「週女」はA子さんの告発をもとに、キム弟を直撃しているのだが、キム弟の主張はA子さんの告発と真っ向対立するものだった。A子さんは自己肯定感が異常に高くすぐキレる。性欲が強く、断るとキレて追いかけ回され、寝間着をビリビリにされた。ピルもA子さんが“中に出したほうが気持ちいい”と言ったから。用事があり会えないと夜中に延々とチャイムを鳴らされたなど、A子さんからのストーカー被害に遭ったと30分にわたり興奮し、まくしたてるように訴えたという。

 キム弟の反論は、かなり生々しく異例だ。だって普通はここまでしゃべらない。普通こうした問題で週刊誌に直撃されるのは、有名人や芸能人だ。イメージも大切だし、事実がどうであれ、相手をさらに怒らすようなことを言っては面倒なことになる。自重する。でもキム弟は有名人の弟。アメフト界で有名だとはいえ、一般人だ。あけすけにしゃべった。その反論ぶりがまずは面白い。兄と違って、あっけらかんでワイルド、そしてやんちゃな性格だと思われる。

キムタク弟氏がA子さんに言い放ったという台詞

 双方主張が食い違っているが、まあ男女の問題はそんなもんだろう。でもいいのか? 「週女」。キム弟を実名かつ写真付きで報じちゃって。以前からキム弟が有名な存在とはいえ、マスコミ倫理の問題もある。加えてジャニーズ性加害問題の余波でもある。以前だったら、ジャニーズの象徴とも言えるキムタクの弟の不倫なんて、決して記事化されなかっただろうから。キム弟が少し気の毒になる。

 そして記事には、もうひとつ興味深い記述が。それはキム弟氏がA子さんに言い放ったという台詞だ。22年末、A子さんがキム弟氏の家を訪れると、理由は不明だがキム弟は交番に駆け込み警察沙汰になった際のこと。

「週刊誌に売ればいい。俺は仕事をいくつか失うけど、おまえは兄貴の事務所に潰されるよ」

 キム弟は「週女」の直撃にこの発言を否定しているが、いずれにせよ2人のいずれか、または双方で“週刊誌”や“ジャニーズ”、そして“事務所圧力”までもが認識され、意識されていたことは興味深い。

 キム弟にとっては、とんだとばっちりな事態だと思われるが、一方の兄は、この騒動を知っていたのだろうか。「週女」は兄の事務所に取材はしなかったようだが、それだけが気になる。

「女性セブン」がSMAP再結成報道でフィーチャーする木村拓哉

 そして兄・木村拓哉の動きも依然注目される。旧ジャニーズ事務所が解体され新たなエージェント会社の社長に「スピーディ」代表取締役・福田淳氏が就任するが、このことが発端となってSMAP復活問題が浮上しているからだ。

 先週の「女性自身」も、福田氏がSMAP復活に興味を示していること、福田氏の人脈などからその可能性が高いことを具体的に報じていた。そして今回「女性セブン」もSMAP再結成について報じている。

 福田氏がこれまで「新しい地図」3人にエールを送り続けたこと、木村がエージェント契約をしたことで元SMAP全員が“フリー”になったので、その機運が高まっている、元メンバー同士のわだかまりも解消している、再結成を阻むものはないというのがその理由だ。そして「セブン」がフィーチャーするのが木村の存在だ。再結成のキーマンは“いまもSMAPへの愛着が強い”木村であり、それが木村の“天命”だと。

「SMAPを続けたいと考えてきた木村が中心となり、それをなし得ることができれば、悪しき慣習を打ち破ったことを世間に表明する象徴的な出来事になるだろう」

 かなり大げさだが、記事では16年のSMAP解散騒動で“裏切り者”だったはずの木村が、なぜか礼賛されるなど、経緯もかなり歪められている。さすが「セブン」。

新社長・福田淳氏が嵐・松本潤に懇願!?

 こうしてなにかと話題の新社長・福田淳氏だが、11月9日に社員の前であいさつし、いよいよ本格始動か。そんな福田氏が独立ドミノを阻止するため期待するのが、嵐・松本潤なのだとか。記事を読んでも、その根拠がイマイチわからないが、新社長から“特命”“懇願”されているのだとか。眉唾。

神林広恵(ライター)

神林広恵(ライター)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』『木嶋佳苗 法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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最終更新:2023/11/14 21:00
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