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【薬剤師監修】まるで地鳴り!? 睡眠の質を高める「いびき解消法」4選

2023/04/26 13:30
竹田由子

5. いびきは漢方で改善できることも

 「あれこれ試してみたけれど、なかなかいびきがおさまらない……」「いびきを体質から変える方法が知りたい」そんな人には漢方薬がおすすめです。

 漢方薬はさまざまな症状への効果が、医薬品として認められています。医薬品ではあるものの、自然の素材が体にやさしく働くため、一般的に副作用が少ないといわれています。

 いびきに対して、臨床データで漢方薬の効果を証明している論文もあります。例えば、竹迫賢一氏らが「日本東洋医学雑誌」(44巻1993-1994 1号)で発表した論文によると、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)に、いびきに対する治療効果が認められたそうです。そのほかにも、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、柴胡加竜骨牡蠣湯( さいこかりゅうこつぼれいとう )などの漢方薬がいびきに著効を示したとの報告があります。

 また、漢方薬は、根本的な原因・体質の改善を目的とするので、いびきの原因となる「肥満」や「鼻づまり」「疲労」などにアプローチし、いびきの改善を目指すことができます。

 それでは、いびきの原因ごとに使われる漢方薬の一例をご紹介します。

<いびきの原因が肥満である人に>

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
 体力があり、腹部に脂肪がつきやすいタイプの肥満の人に適しています。消化しきれず残留した飲食物は、毒素として全身をめぐっていると漢方医学では考えられるため、これらを汗や便、尿として体外に排出することで肥満解消を促します。研究でも、脂肪分解作用や脂肪燃焼効果などの薬理作用があることが確認されています。

<いびきの原因が疲労である人に>

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
 胃腸の働きが衰え、疲れて元気がない人に適しています。弱った胃腸を元気にすることで、疲労を回復。胃腸が元気になれば、食べたものをしっかり消化吸収し栄養にすることできるため、疲れにくい体が作られると考えられています。

<いびきの原因が鼻づまりである人に>

・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
 比較的体力のある人の鼻づまりによるいびきに適しています。構成生薬の辛夷(しんい)と川芎(せんきゅう)が、鼻腔や副鼻腔の炎症を抑えることで、鼻づまりや頭痛、肩こりを解消。

 漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。しかし、たくさんの漢方薬からご自分に合った漢方薬を見つけるのは大変ですよね。

 そんなときは、薬剤師に気軽に相談できる、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスを利用するのもいいでしょう。あなたに合った漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。

あんしん漢方

6. いびきを改善して今日からグッスリ!

 このように、いびきは原因によって解決できるものがあるということがおわかりいただけたでしょうか。あなたと、あなたの大切なパートナーの快適な睡眠のためにも、きちんと向き合うことが大切なのです。

 ただし、あまりにもいびきが続く場合は、呼吸器科や耳鼻科、あるいはいびき外来などを受診しましょう。

薬剤師・竹田由子(たけだゆうこ)
43、47歳で出産した2児のママ薬剤師。共立薬科大学(現 慶応大学)卒、臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に従事し、医薬品に関する情報に精通。漢方を自身の月経痛や妊活にも活用してきた経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

最終更新:2023/04/26 13:30
身体と心の不調がなくなる かんたん漢方