コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

『あちこちオードリー』小籔千豊は丸くなった? 時代に即した“説教芸”のあり方

2023/02/16 21:00
仁科友里(ライター)

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

写真ACより

<今回の有名人>
「男前じゃないのにモテたくてしゃーないヤツ」小籔千豊

 仕事としてテレビをずっと見続けていると、売れた芸能人の底力のようなものを感じることがよくある。自分の持ち味が時代に合わなくなったとしても、見せ方を変えることができれば、生き延びていける。その成功例の筆頭は有吉弘行だと思うが、小籔千豊もうまく“モデルチェンジ”しているなと、2月8日放送『あちこちオードリー』(テレビ東京系)を見て思った。

 小籔といえば、番組で自分の爪痕を残すために必死で、周りが見えていないグラビアアイドルを厳しく叱る姿の印象が強い。よく使う表現は「しょーもない」「あいつ、イキってる」。ほかにも、「親孝行しろ」「子どもが結婚式のときにどんなあいさつをするかで子育ての成否が決まる」「ハロウィンをやるくらいなら花まつり(お釈迦さまの誕生日)を祝え」といった持論を展開するのも特徴的だ。

 こういった小籔の言動から判断するに、彼は保守的な価値観の持ち主と見ていいだろう。小籔が出演していた『ざっくりハイタッチ!』(同)で、共演者のフットボールアワー・後藤輝基には「思想が強い」とツッコまれていたが、この“偏り”、そこから生まれる説教こそが、小籔の魅力の一つといえる。

 ただ、これもれっきとした個性ではあるものの、あらゆるハラスメントに「NO」が突き付けられる今の時代において、小籔の芸風は少々分が悪い。なぜなら、小籔の説教が若者に対するパワハラと捉えられかねないからだ。ただ、それを捨て去ると、小籔の魅力は減ってしまう。さて、彼はどうするか――。

 しかし、そんな心配はまったく不要だった。小籔は「個性を生かしながらも、時代に即した見せ方」をとっくに確立していたようだ。端的にいうと、若い人の話をしっかり聞き、時に説教する場面でも相手を責めすぎず、「これは、自分の考えを押し付けているわけではなく、あなたのため、全体のために言っている」というスタンスを明らかにすることで、世間から反感を買わない芸風を成立させていた。

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