カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2022年12月号

あの元『から騒ぎ』メンバーは“介護の星”になっていた――認知症一色の「婦人公論」

2022/12/04 16:00
島本有紀子(ライター)

 次に見ていく記事「軽度認知障害『MCI』は、早期発見で回復の可能性が」では、医学的な面から認知症のリスクに言及しています。

 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、脳血管障害が原因の「血管性認知症」だけでなく、「アルツハイマー型認知症」のリスクを高めるそう。そのため、喫煙や大量の飲酒、偏った食事、運動不足などの生活習慣を見直すことが、予防には大切だそうです。

 さらに、うつ病による認知症発症リスクは約2倍というデータもあるとのこと。このあたりを見ていくと、冒頭の対談記事で長谷川医師が言っていた「私の経験上、認知症の進行が早い女性の夫は、独善的で威張っている人がものすごく多い」というのは、夫からのストレスを解消するため暴飲暴食に走ったり、うつ気味になったりすると認知症リスクが高くなる……ということなのか? と。

 また、紹介されている「認知症早期発見 12のチェックリスト」も要チェックです。12項目のうち4つ以上当てはまったら認知症の疑いがあるとされていますが、「同じことを言うことがしばしばある」「特定の単語や言葉が出てこないことがしばしばある」など誰でも当てはまってしまいそうな項目ばかり。不安になること請け合いです。

認知症特集号に「脳トレドリル」を付ける「婦人公論」の良心

 今月号は読者体験手記も「認知症の親を看取る」がテーマ。また、認知症になる前にやっておきたいお金の整理の仕方なども紹介され、ほぼ認知症一色でした。

 「認知症と明るく暮らす」と掲げられていても、どうしても鬱々とした気持ちになってきてしまう認知症特集。しかし、それだけで終わらせない努力を見せるのが「婦人公論」です。「婦人公論」なりの希望を、いくつか提示してくれます。

 掲載されている「脳を刺激するドリル10」は、1日1問解いていくと脳が刺激されるそうで、認知症予防になりそう。また、ルポ「病を得ても働ける場所が増えている」では、認知症患者が働けるカフェや工房も紹介されています。

 いつもは箸休めになる鈴木保奈美や阿川佐和子のエッセイでも、あまり心が晴れない特集内容でしたが、とりあえず「脳を刺激するドリル10」を一つずつ解いていきたいと思います!



島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2022/12/04 16:00
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