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『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』月収40万円、フードデリバリーの仕事「東京デリバリー物語~スマホと自転車とホームレス~」

2022/10/12 12:15
石徹白未亜(ライター)
写真ACより

日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。10月9日の放送は「東京デリバリー物語~スマホと自転車とホームレス~」。

『ザ・ノンフィクション』あらすじ

 コロナ禍以降、3年足らずで街の風景としておなじみになった、フードデリバリーの配達員。そんな3人の配達員の暮らしを見つめる。なお、今回の登場人物は、「佐々木」以外はすべて仮名。

 和田(42歳)はイベント会社で働いていたものの、コロナの影響で仕事がなくなり2020年の冬に配達員になった。一日8時間週5日働いて、月収は30万、運がよければ40万になると話す。

 郊外で部屋を借りると都心での配達仕事がやりづらいため、和田の住まいは都心のインターネットカフェだ。和田は「昔からピンチのときでもそんなに深く考えない、俺のダメなところなんですけど、どうにかなるだろうみたいな、日本なんで」とも話すが、一方で「ちょっとみじめな気持ちにはなりますよね」「若い子のパシリなのかみたいな、そういう虚しさ」と、複雑な胸中を明かす。

 運が良ければ稼げるフードデリバリーの配達員だが、仕事や住まいを失った人を支援する「一般社団法人つくろい東京ファンド」の佐々木大志郎は、配達員の仕事について「現代的なテクノロジーを使った日雇い仕事みたいなものなので、困窮の二歩手前であるという実態は変わらない」と話し、ツイッターを使う配達員たちに「保険や食料など必要でしたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ」とリプライを送る。

 一方で佐々木は「あるカテゴリーの人には(フードデリバリーは)いい働き方。(職場の)人間関係がいやだという人は多い。そこのメリット(人間関係に煩わされないこと)は計り知れない」とも話す。自身のNPOでもフードデリバリーで働く人のために貸し出し用電動アシスト自転車を用意している。

 佐々木から食べ物の支援を受け取った、フードデリバリーを始めて3か月の高山(30歳)は、昨年6月に仕事をうつ病で辞め、FXで暮らしていこうとしたもののうまくいかず、94万円の借金を抱えている。早稲田大学の政治経済学部を卒業し日本銀行に就職した超エリートだったものの、会社が自分に求めることを満たすことができず、罪悪感からメンタルの調子を崩してしまったそうだ。

 佐藤(31歳)はフードデリバリーの配達員として週4日働いて、月収が8万円ほど。飲食店で働いていたがコロナ禍で職を失い、実家に引きこもっていたものの、家族との折り合いが悪くなりパニック障害を発症。その後、家を飛び出したが、当時の所持金は82円だったという。路上生活を覚悟していたが、無料Wi-Fiを使って佐々木のNPOにつながり、現在は生活保護を申請しアパートで暮らしている。生活保護の支給額は13万円で、フードデリバリーで稼いだ分は生活保護費から差し引かれる。

 順調そうにフードデリバリーの仕事をしていた和田だが、所持金が800円になったと佐々木の元へSOSが入る。配達中に転倒し腰を痛め、仕事に出れなかったという。和田は佐々木から食料を受け取りその場をしのぐことができたが、最近はステイホームの風潮が弱まりつつあり、デリバリーの依頼も減少。そのため、和田は交際を始めた女性の父親が経営するリフォーム会社の社員として働くことを決意する。

 借金を抱えている高山は返済のため、台風が東京を直撃した日も朝から晩まで働く。悪天候などで注文が殺到した時は、配達員の報酬が上がる仕組みだそうだ。しかし、日銀時代に入っていた年金型の保険の存在を思い出し、解約した際の解約金で借金を完済。さらに余った金で、自転車で日本一周の旅に出る。

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