カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2022年9月号

稲川淳二の怪談グランプリより怖い! 「婦人公論」のきょうだい遺産トラブル

2022/09/04 16:00
島本有紀子(ライター)
「婦人公論」2022年9月号(中央公論新社)

 「婦人公論」(中央公論新社)の9月号が発売になりました。今月号の第1特集は高齢になってからの“きょうだい”関係に迫る「きょうだいは支えか重荷か」。第2特集は、同誌の夏の定番である怪談特集「真夏の不思議スペシャル」です。

 怪談特集に負けず劣らず、きょうだい特集にも背筋が凍るコワいエピソードがたっぷりの今号。早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎<読者アンケート>「血縁だから仲がいい」は幻想!?
◎<読者体験手記>絶縁を決めた理由
◎寂しいのは幽霊も同じです 三木大雲

妹夫婦が父のすべての預貯金の名義を……

 第1特集の「きょうだいは支えか重荷か」。長いこと“母と娘”や“毒母”のブームが続いていた同誌ですが、これからはきょうだい関係にシフトしていくのでしょうか。同誌は年を重ねるときょうだい付き合いにも変化が訪れるといい、その分かれ道になるのは「お金と介護」だと説きます。

 読者アンケート「『血縁だから仲がいい』は幻想!?」(合計153人、平均年齢62.8歳が回答)では、「現在、きょうだいと交流がある?」と答えた人が~40代では58%、50代で51%、60代で66%、70代以上で64%。もし、年に一度でも顔を合わせることも「交流」とするなら、やはりこの数字は少なく見えます。さらに気になるのは「疎遠になった理由」。50代・60代・70代以上の1位はすべて「金銭問題・遺産相続」でした。きょうだいといえども、やはりお金が絡むと関係はこじれるのが現実のよう。

 紹介されているきょうだい間のトラブル事例を見ると、「父が亡くなる前に、妹夫婦が父のすべての預貯金の名義を変更していた」「妹夫婦は、母を振り込め詐欺から守るため母の貯金を預かると言って持って行き、いつの間にか『親がくれると言った』と主張」という詐欺的なものから、「姉の子が幼稚園の時、お年玉として図書券3000円分をあげたら、『しけてる』と笑われた」「(兄からの)贈り物がいつもどう見ても安価」などの些細な感覚のズレによるものまで、バリエーション豊か。亡くなった父親の棺をLサイズにするか2~3万円安いMサイズにするかで揉めた……というものもありました。

 きょうだい問題にはその配偶者という登場人物も加わるため、いっそうよりドラマが生まれるのかもしれません。毒母ブームに続く、毒きょうだいブームの気配がします。

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