コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

有働由美子アナ、平野歩夢選手へのセクハラ発言に思う「自虐キャラ」から「老害キャラ」にならないための方法

2022/02/17 21:00
仁科友里(ライター)

 今回に限らず、有働アナはジェンダーに関して不用意な発言が多い。たとえば、NHKを辞めてフリーに転身した18年10月、日本テレビ系の報道番組『news zero』のメインキャスター就任が発表された際の、記者会見でのことだ。

 日替わり出演するアナウンサーが若いこともあって、有働アナは「若いアナ、キラキラした人と、“置屋の女将”みたいな感じですが、女将なりに頑張ります」と意気込みを語っていた。しかし、メインキャスターはキャリアや経験が必要なわけだから、若手がやるほうが不自然だ。わざわざ年齢に絡めて「女将なりに頑張ります」などと、自虐する必要はあるのだろうか。

 また、“置屋の女将”というのも誤解を招く発言だと思う。置屋とは、芸者や遊女を抱える家のことを指し、その女将は、置屋で引き受けた少女の衣食住の面倒を見て、踊りなどの芸を仕込み、一人前の芸者に育て上げる役目を持っている。

 しかし、宮尾登美子の小説『陽暉揮楼』(文春文庫)には、借金返済を理由に、嫌がる芸者に無理やり客を取らせるシーンが描かれており、置屋の女将がただ「面倒を見る」役割ではないことがわかる。気の置けない仲間内での会話ならともかく、公的な場で性接待のオーガナイザーの意味もある言葉を使うのは、ちょっと配慮が足りないと思う。

 このほかにも、21年1月8日放送の『うどうのらじお』で、自身が若い頃のクリスマスの過ごし方に触れたトークの中で、彼氏と過ごす予定のない自分と女友達のことを「余った女子」と言っていた。クリスマスを恋人と過ごさなければいけない決まりはないし、1人または友人や家族と過ごそうが、その人の自由だろう。にもかかわらず、彼氏とクリスマスを過ごさない女性は「余っている」という印象を与える発言を、公共の電波に乗せてしまうのはいかがなものか。

 こうした発言は全て自虐のつもりなのだろうが、有働アナ自身が「女性は若いほうがいい」というセクハラ的な考えや、「女性は男性に選ばれてナンボ」のような男尊女卑的な価値観を持っていることに無自覚ではないか。

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