コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

森三中・黒沢かずこに学ぶ、「敏感力」の生かし方――面倒くさがられないために大事な“一線”はどこか?

2021/11/25 21:00
仁科友里(ライター)

 黒沢に対して、考えすぎてちょっと面倒くさいなと思ったことがある。それは15年放送の『みなさんのおかげでした』(フジテレビ系)での、「石橋温泉」という企画の中だった。

 オンナ芸人がとんねるず・石橋貴明に悩みを打ち明けて、アドバイスをもらうというもので、ほかのオンナ芸人が恋愛相談をする中、黒沢は「自分がなんの目的でこの世界に入ってきたかわからなくなっちゃって」と、お笑いについて迷っていることを打ち明けた。そこからヒートアップした黒沢は、番組プロデューサーを呼び出し、「飲む金あるなら制作に回せよ! 上に媚びるな! もっと若手スタッフにチャンスやれ!」と、怪気炎を上げたのだ。

 当時、フジテレビの番組は軒並み視聴率が伸び悩み、『みなさんのおかげでした』も例外ではなかった。黒沢は、面白いものを作りたいと現場は思っているのに、上の人間が予算を飲み代として使うから制作費が少なくなってしまったり、制作者が局の上層部の顔色をうかがいすぎて若手にチャンスをあげない、冒険ができないと考え込んで、一気にぶちまけたのではないか。

 こうした現状をバッサリ斬った黒沢のことを、視聴者は面白いと感じただろうが、「社会人として」見るなら、この物言いは黒沢にとってマイナスだと思う。仮に予算が上の人間の飲み代に消えていたとしても、カネの使い方は権限ある人間の決めることだから、他社の人間である黒沢が口を出したり、あれこれ考えることではないだろう。

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