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「住みたい街ランキング」上位のカラクリが明らかに!? 「本当に住みやすい街」3つのポイントをプロが伝授

2020/12/23 17:00
中崎亜衣(ライター)
写真ACより

 大手物件情報サイトが毎年のように発表している「住みたい街ランキング」。最近は、「コロナ禍で『住みたい街』が激変した」といったニュースを多数の媒体が取り上げるほど、世間の注目度は高い。しかし、「住みたい」というのはあくまで“理想”の話で、「住みやすい街」と異なるのではないだろうか?

 実際、同ランキングで度々上位に入っている「横浜」について、ネットユーザーの間では「治安が悪い」「駅周辺しか住む場所がない」といった不満も聞かれる。そこで今回は、「本当に住みやすい街大賞」の審査員長を務めている住宅評論家の櫻井幸雄氏に、「住みたい街」と「住みやすい街」の違いや、「本当に住みやすい街」の探し方を教えていただいた。

「住みたい街ランキング」は「実際には住めない街」ばかり!?

――「本当に住みやすい街大賞」関東版を見ると、2018年版は南阿佐ヶ谷(東京都杉並区)、19年版は赤羽(東京都北区)、そして20年、21年版は川口(埼玉県)が第1位という結果でした。第10位までを見ても、「住みたい街ランキング」の常連である吉祥寺や自由が丘の名前はなく、どちらかといえばマイナーな街が多い印象です。

櫻井幸雄氏(以下、櫻井) 「住みたい街ランキング」には、吉祥寺や自由が丘など知名度は高いものの、家賃などの関係で「実際には住めない街」が上位になる傾向があります。まさに「住みたいけど住めない理想の街」が選ばれやすいというわけです。

 対する「本当に住みやすい街大賞」は、“実際に家を買って住んでいる人が多い街”が候補になります。というのも、長期固定金利住宅ローン「フラット35」の利用者が多かった場所を抽出し、住み心地や将来性を加味して、審査員がベスト10を決めているんです。そのため、住み心地のよさだけでなく、金銭面から見ても「住むことが可能な街」が選ばれやすく、よりリアルなランキングになります。

――住宅情報サイトが発表しているさまざまな「住みたい街ランキング」は、住居を決める際の参考になるのでしょうか?

櫻井 「住みたい街ランキング」は、いわば“人気投票”のような位置付けでしょう。「住みたい街ランキング」の多くは“住宅のプロ”ではなく、住宅情報サイトを利用する“一般の人”の投票で決まりますが、ほとんどの人は、自分が住んだことのない街について、詳しくありませんよね。情報が少ない中で「住みたい街ランキング」を実施すれば、どうしたって「あの街に住んだら楽しそう」という憧れで決めることになり、「遊びに行ったことのある街」や「買い物に行ったことのある街」に票が集まる仕組みになっているんです。

 そういう意味で、「住みたい街ランキング」は、引っ越し先を探す時に参考にできるものではないでしょう。実際、吉祥寺駅の徒歩圏内で新築物件はめったに出ないし、自由が丘はマンション建設の際、地域住民の反対に遭いやすく、物件が少ない。また、横浜もよくランクインしますが、横浜駅周辺は業務優先地域なので、商業ビルやオフィスビルは建設できても、住宅用のマンションは建てられません。いくつもある「住みたい街ランキング」の中には、みなとみらいエリアなども含め、横浜駅から半径1.5~2km内という広範囲を「横浜」と見なしているケースもあるようですが、こうした事情はなかなか周知されないのが現状です。

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