カルチャー
「たけし『天才』」広告の闇【前編】

「たけし『天才だね!』」「マツコ驚愕」タレント名を使った“怪しい広告”、最前線事情に迫る

2020/09/21 21:00
石徹白未亜(ライター)

――たしかに、「たけし」も「マツコ」も写真は出ていませんね。景表法、薬機法、肖像権とすでに多くの問題点が見えましたが、ほかにもありますか?

笠井 こうしたタレント名を掲げる広告は、「健康食品、サプリメントの定期購入」を事業としているケースが多く、その販売方法において「特商法(特定商取引に関する法律)」に違反している事例も少なくありません。

 例えば、広告では「500円で試せます」などと大きく記載されていて、さも手軽に試せるように見えるものの、実は定期購入で最低6回は購入しないといけないことが、消費者からは見えづらい場所に小さく書いてあるようなケースです。500円は初回だけで、以降は一気に高額になり、解約もできず……といったものですね。こういった広告主の購入システムは、悪質でわかりにくいものも少なくありません。

 この点について、特商法では、「通販事業者は顧客に対し契約の内容をわかりやすく伝えなくてはいけない」と定めていますし、平成28年には「定期購入契約」に関する表示義務の追加・明確化も改正によって加えられているんです。

 しかし、芸能人の名前を使って広告を出している定期購入の事業者の中には、消費者を騙す意図をもって販売ページを作っているとしか思えない事例も少なくありません。

パソコンでは普通なのに、スマホで見ると怪しい広告になるケースも

――こうした不正広告を行っている側の手口には、ほかにどういった方法があるんでしょうか?

笠井 基本的に不正広告の場合は、商品を作って売る事業者と、広告代理店、広告ページを作る制作会社がグルになっていることが多いです。そして、制作した不正な広告ページをGoogleなど検索サイト、YouTubeなどの動画サイト、FacebookなどのSNSに大量に出稿して流すわけです。また、ターゲットにするのはパソコンサイトより、スマホサイトのほうが多い。ひどいケースだと、パソコンから見たら普通の広告なのに、スマホから見た時だけ違法広告になっていたりするんです。

――それって、どういうことなのでしょうか?

笠井 ユーザーがスマホで見ているか、パソコンで見ているかで、広告の表示を切り分けているんです。さらに、スマホの特定のアプリ、例えばFacebookのアプリから見た時だけ違法な広告を表示させる、というケースもあります。

――なぜ、わざわざそのようなことを?

笠井 いくつかの理由が考えられます。まず、スマホは画面が小さいので、ついつい利用者が「読み飛ばして」しまいがちな傾向があり、騙しやすいということ。そして警察、消費者庁、消費者センター、消費者団体、マスコミなど、不適切な広告を出す事業者に対し目を光らせている方たちは、基本的に「パソコン」でサイトを見ていることが多いんですよね。そのため、パソコンではクリーンな表示を装っている、とも考えられます。

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