“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第518回】

唐田えりかの「復帰」「復縁」の可能性を批判的に報じる「女性セブン」――芸能界の“差別的”体質

2020/08/11 21:00
神林広恵(ライター)
「女性セブン」8月20・27日合併号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 コロナ拡大が止まらない中、東京からの帰省者への誹謗中傷が。同時に感染者に対する自業自得といった空気も。差別や分断がますます広がっている。

第518回(8/6〜8/11発売号より)
1位「杏 『慰謝料ナシ』を決断して父の隠れ家で満面の離婚パーティー撮」(「女性セブン」8月20・27日合併号)
2位「佐々木希 窮地の復帰 それでも夫と手をギュッ!撮」(「女性セブン」8月20・27日合併号)
3位「安倍首相 コロナ対策放り投げ!『お腹いたい…』胃腸の“緊急事態宣言”」(「女性セブン」8月20・27日合併号)
※「女性自身」「週刊女性」は合併号休み

 こんなご時世でも、不倫が頻発する。そんなことをしみじみ思ってしまう、2020年上半期は芸能界不倫の連発だったが、「女性セブン」が2つの不倫のその後を報じていて“その差”が興味深い。

 まずは杏と東出昌大の元夫婦について。不倫発覚直後、誰もが知る有名女優・杏を妻に持ち、オシドリ夫妻とされていた東出が、イクメンなどと持ち上げられていた東出が、まさかの不倫ということで多くの人の驚きと怒りを買った。

 その後、東出は仕事激減と会見での沈黙、さらには杏に無断で自宅に戻ったなど、どんどん男を下げ続け、8月には離婚が成立。その直後、杏は父親・渡辺謙の別荘に滞在し、子どもたちと友人夫妻と楽しい食卓を囲んでいたらしい。「セブン」には別荘近くで散策する杏の姿がとらえられている。また近隣住民が見かけた際、杏は満面の笑みを浮かべていたという。よかった。タイトルには“離婚パーティー”と銘打ってあるが、しかし、これは「セブン」の単なる推測なのだろう。楽しそうな声が聞こえてきたというだけだ。

 そんな記事だったが、別の気になる内容が。それが東出の不倫相手の唐田えりかについてだ。記事には東出の行き着く先に唐田がいるのかどうかと前置きして、芸能関係者のコメントが。

 いわく、現在も雲隠れ状態の唐田だが、周囲も本人も女優復帰を諦めていない、いわく、東出が離婚したことで正式な交際が始まるのでは、と。

 もちろん、このコメントは唐田に批判的なトーンなのだが、いずれも当然のことでしょ。芸能界の有名夫婦の男と不倫をしたからといって、自分だけ芸能界を追放されるというのはおかしい。復帰を目指すのは当然だ。しかも一方の東出はもう復帰している。オファーも殺到しているとの報道さえある。女性の側だけ“罰”を受けるのは理不尽だ。さらに3年も不倫して相手の男が離婚したら、もしかして――というのもあり得ない話ではない。世の中にはごまんとある。それを一方的に責めるのも変だ。

 芸能界では独身のジャニーズタレントと付き合っただけで芸能界からパージされたタレントもいるから、そうした差別的体質が色濃い場所ではあるも確か。

 そういえば、先週の「週刊女性」でも、夫の不倫で離婚した杏を当てこすり、一方の東出の不倫を擁護するかのような記事が掲載されていた。さらに、なぜか渡部建の離婚と対比させ、渡部の妻・佐々木希は「一度の過ちなら」と不倫を許したが、杏は夫の不倫発覚直後に、それを許さないと決意したなどと、まるで杏が“冷酷でひどい女”のように記されていた。

21世紀の女の子
いろんなところに差別が
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